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2012年CPUクーラー最強王座決定戦 第2回

野心作が多数! 2012年CPUクーラー王座決定戦【第2回】

2013年03月05日 16時00分更新

文● 加藤 勝明

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取り付けの手軽さが裏目に出たか
サイズ「刀4」

●対応ソケット:775/1155/1156/1366/2011、AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●寸法/重量:100(W)×102.5(D)×143(H)/約480g
●ファン回転数:300~2500rpm±10%(PWM制御)
●風量:6.7~55.55CFM
●ノイズ:7.2~31.07dBA
●実売価格:3000円前後
●製品情報URL:http://www.scythe.co.jp/cooler/katana4.html

「刀4」は大型のサイドフロー式クーラーだが、バックプレートなどを使わずに組み込める手軽さが魅力。ただし今回の検証では、その手軽さが仇になったようだ

 最近のサイドフロー式クーラーは専用のバックプレートをソケット裏に仕込むのが普通だ。「刀4」は各ソケットのリテールクーラーに準拠した固定方法を採用するため手がかからないのが特徴となる。

 ヒートシンクの幅も10cmと狭く、裏側に突出部のついたビデオカード(例:MSI製「NGTX680 Lightning」など)でも干渉しにくい。しかしその分ファン口径が9cmと小さく、風量も約56CFMと少なめになっている。またAM3+用のリテンションクリップは指だけで装着できるが、CPUへのプレッシャーを稼ぎにくいという側面もある。

 結果からいえば、扱いやすさを重視したためかこちらも「兜2」と同じ4.4GHz、ピーク時CPU温度72℃で終了。温度上昇の度合いは「兜2」よりも若干緩やかだが、負荷をかけてから3分過ぎたあたりがピークとなり、その後横ばいというパターンは同じ。

 アイドル時のファンノイズは小さいが(比較的)小口径ファンだけに高負荷時のファンノイズは48dBA以上とかなり目立つ。OCには興味はないがリテールクーラーでは不満があり、さらにあまりお金をかけたくない人向けの製品といえるだろう。

アイドル時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  38.0 ℃ 28.8 ℃ 36.4 ℃ 33.2 ℃ 47.4 dBA 964 rpm
純正より -5.0 ℃ -7.4 ℃ +1.8 ℃ -0.4 ℃ +5.9 dBA -1472 rpm
高負荷時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  72.0 ℃ 28.7 ℃ 43.2 ℃ 45.5 ℃ 48.4 dBA 2678 rpm
純正より ±0.0 ℃ -12.0 ℃ -1.0 ℃ -2.0 ℃ -4.1 dBA -2722 rpm

10分間の温度推移

安価ながら面白い設計のトップフロー型クーラー
REEVEN「ARCZIEL12」

●対応ソケット:775/1155/1156/1366/2011、AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2
●寸法/重量:140.5(W)×131(D)×126(H)/約557g
●ファン回転数:500±250~1900rpm±10%(PWM制御)
●風量:27.61~101.33CFM
●ノイズ:4.3~35.5dBA
●実売価格:3000円前後
●製品情報URL:http://www.reeven.com/arcziel-rc-1203/

ヒートシンクの断面に微妙な凹凸をつけたり、フィンに穴を設けるなど安価なクーラーにしては手の込んだ設計を採用している。ファンの固定に黄色い樹脂製のクリップを使うのが特徴だ

 次は、国内ではサイズが取り扱っているREEVEN製「ARCZIED12」(アークジール)を紹介しよう。「兜2」と似た構造を持ったトップフロー型のクーラーだが、こちらはソケット周辺の空間を使えるだけ使う。そのため、CPUに近い側のメモリースロットのアクセスに制限が出るなど、一般的なサイドフロー式と同じような配慮が必要となっている。

 作業時にはマザーを裏返してネジを回すタイプなのでメンテナンス性は低いが、ただ専用バックプレートを使いしっかりと圧を稼げる設計になっている点は評価できる。

 ヒートシンクの容積的には「兜2」と大差ない印象だったが、本製品は4.6GHz動作における負荷テストを見事パス。ただし「風神ワイド」と同様に限界温度ギリギリで踏みとどまれた感じだ。また、静音性は基本的に良好だったがテスト中数秒間全力で回り出すことがあり、その際のファンノイズは全製品中最高をマーク。

 限界を攻めるようなオーバークロックでの利用は(ファンノイズ的に)難しいが、プチオーバークロック程度なら十分使える。「風神ワイド」よりもやや使いにくいが、黒と黄色のド派手なデザインに魅かれるなら使ってもいいかもしれない。

アイドル時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  34.0 ℃ 32.4 ℃ 35.6 ℃ 33.0 ℃ 45.7 dBA 547 rpm
純正より -9.0 ℃ -3.8 ℃ +1.0 ℃ -0.6 ℃ +4.2 dBA -1889 rpm
高負荷時
  CPU温度 チップセット温度 メモリー温度 VRM温度 ファンノイズ ファン回転数
  71.0 ℃ 30.3 ℃ 42.5 ℃ 44.4 ℃ 56.9 dBA 2014 rpm
純正より -1.0 ℃ -10.4 ℃ -1.7 ℃ -3.1 ℃ +4.4 dBA -3386 rpm

10分間の温度推移

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