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超高音質オーディオ配信で変えるPCオーディオ環境 第1回

FLACより高音質? DSDって何!? ハイレゾ音源10の疑問

2013年03月04日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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疑問3 ハイレゾ音源=FLACだと考えていいの?
回答 必ずしもそうとは言えない

ウォークマンF

前ページで紹介したウォークマン Fだが、FLACを含めて再生可能なのは44.1kHzまで。96kHzなどのハイレゾ音源には対応しておらず、再生もできない

 結論から言うと「No」。デジタルデータは、音楽信号を数値化(符号化)してデータに変換するため、記録できる周波数や音量の大小が厳密に規定されてしまう。音楽CDを例に挙げると、再生可能な音は44.1kHz/16bitとなっている。これは、音の高低の幅を定めるサンプリング周波数と、音の大小の幅を定める量子化ビット数を表したもの。

 サンプリング周波数はその1/2までの周波数の音を再生できるため、理論上は22.05kHzまでの音を再生可能。ただし、CDはその規格により、再生周波数帯域は20Hz~20kHzとしている。量子化ビット数はその数字が大きくなるほど小さな音まで記録できることを意味する。

 20Hz~20kHzというCDの再生周波数帯域は人間の可聴帯域(聞こえる帯域)を元にして決められたものだが、バイオリンのような高音楽器の音は40kHz近くまで出ているし、自然界の音はそれ以上の高域成分を含むものもある。つまり、CDの能力では原音を忠実に録音できないと言われてきた。

 そこで、録音の現場では、CDを超えるサンプリング周波数と量子化ビット数でデジタル記録をするようになった。96kHz/24bitや192kHz/24bitというハイサンプリング・ハイビット記録だ。

 符号化されたデジタル信号はグラフで見ると階段状の形で表せるが、ハイサンプリング・ハイビットになるほど階段が細かくなる。かつてはハイサンプリング・ハイビットと言われていたものが、ハイレゾ音源だ。グラフのマス目が細かくなる=高解像度(ハイレゾリューション)なので、ハイレゾ音源と呼ばれるようになったようだ。

 つまり、FLACでもWMA LosslessでもWAVでも、96kHz/24bit以上のサンプリング周波数と量子化ビット数があればハイレゾ音源となり、それ以下なら一般的にはハイレゾとは呼ばれない。ちなみに、こうしたハイレゾ音源をパッケージ化したものが、DVDオーディオだ。

疑問4 iTunesでFLACは再生できない?
回答 残念ながら非対応

FLACが再生できるプレーヤーソフトとして有名なのは「Foobar2000」

ハイレゾ音源が再生できる音楽プレーヤーソフトとして有名なのは「Foobar2000」

 MacやWindowsを問わず、多くの人がPCでの楽曲管理や再生に利用しているiTunesは残念ながら、FLAC形式に対応していない。iTunesはMP3やAACが標準で、音質にこだわる人のために、Apple LosslessやWAV/AIFF形式もサポートしているので、今のところは残念ながら対応しそうにない。

 そのため、FLAC形式の楽曲を再生するには対応した再生ソフトが必要になる。Windowsでは「Foobar2000」や先ほど紹介した「MediaMonky」などが有名。Macでも「Audirvana」などの対応ソフトがある。多くはフリー版も用意されているので、一度ダウンロードして試してみるといいだろう。

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