メインストリームは今後も4.7型がいいのでは
タブレットは社内でトライを繰り返している
――画面サイズの大きなスマートフォンを各社が発表しています。HTCがこの分野で製品を出す計画は?
小寺 HTC Oneは4.7インチ、これは去年(「HTC One X」)と同じに抑えた。J Butterflyは5インチになったが、グローバルでみたメインストリーム向けとしては4.7インチぐらいの大きさの方が使い勝手がよいのではとみている。
(5〜7インチの大画面スマホは)市場が大きくなってきており、市場があるところには最終的には対応していきたいと思っている。現在調査しているところだ。
――タブレット戦略について教えてください。(7インチ画面の)「HTC Flyer」は、いまとなっては時期が速すぎたようにもみえます。
小寺 タブレットは毎年取り組んでいます。ある段階で商品としてみたときに、本当にこれで勝てるのかとレビューし、納得がいかないのでFlyer以降は作っては止めてを続けている。自信をもってお勧めできるものができたら、市場に持っていきたい。現在のタブレット市場は、iPad以外は差別化ができておらず、厚さなどハードウェア部分での競争になっており、さらに価格競争がある。スマートフォンと同じように3つの要素で差別化が図れないと難しい。
――Windows 8タブレットをやるような計画は?
小寺 Windows 8とWindows Phone 8の親和性が高いので検討中だ。
新しいプラットフォームは常に注意している
日本での新ビジネスにも期待しているがブランド認知が重要
――今年のMWCでは新しいOSが注目を集めたが、AndroidとWindows Phoneを継続するのでしょうか? OS戦略について教えてください。
小寺 基本的にAndroidとWindowsの2本だてでやってきた。今後もこれを継続していく。
新しいプラットフォームは、事業者さんから検討するようにいわれて見ているが、プラットフォーム数をどんどん増やしてサポートしていくのは難しく、バランスをとらなければならない。慎重に検討していく。ただ、(新しいプラットフォームにより)選択肢が増えることはよいことだ思う。
だからといって閉ざしているわけではなく、常に新しいプラットフォームには注意している。基本は、HTCらしい製品をだせるのか、お客さんに利益があるのかの2つ。この2つをみて、なおかつビジネスがあればやる。
――Androidでは「GALAXY」ブランドが強くなっているが、同じAndroidメーカーとしてどう思われますか?
小寺 それよりも、ちゃんとプラットフォームとして、分断化がなくるなどのことを気にしている。
――Microsoftの「Surface」、Amazonの「Kindle Fire」など垂直統合モデルがでてきています。
小寺 この業界は常に新しい競争が起こるが、新しい競争相手が入ってきているのは事実。特にAmazonは新しいビジネスモデルを持ち込んだ。そういうところでは、HTCも何かできないかと見ている。
――今年の目標は?
小寺 強い商品をちゃんと用意し、それをちゃんと売り切っていく。基本的なことだが、これを大切にしている。
日本市場では、(KDDIに)初めてコアモデルのように扱っていただいた。今後はブランド認知度を上げていく。その一環として新しい事業者さんに入ることができたら入りたい。単にチャネルを増やすよりは、HTCとしての認知を上げることの方が大切だと考えている。
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