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なれる!SE 間違いだらけの?IT用語辞典(中二版) 第5回

滅入ったらぶっ放してみよう!

地球を壊せるぐらいの破壊力を持つ武器みたいなIT用語

2013年02月28日 18時00分更新

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回答編



平たく言っちゃうと下位ルータに上位ネットワークの情報を伝える機械。それをルートリフレクタと呼ぶのよ。



先生! あまり平たくなってないです!


インターネットで使われるルーティングプロトコル……BGPって言うんだけど基本フルメッシュ(*)で情報交換を行ってるのよ。ABCDと4台ルータがいたら四角形+対角線で6接続が必要になる感じ。これが10台100台と増えていったらとても管理できないでしょ? だから情報集約ポイントを決めて他ルータをその下にぶらさげる。


(*)全てのルータが他ルータに接続を有していること。


ん……蜘蛛の巣状じゃなくて階層構造にしようってことですか? 下位ルータは情報集約ポイントとのみやりとりして他ルータとは情報交換しないみたいな。


そういうこと。ま、会社の緊急連絡網とかと同じよね。部長から課長、リーダからチームメンバにどんどん電話していって、メンバ同士が相互にやりとりすることはない。


なるほど……って、あ、ひょっとして上位からもらった経路情報を下位に反射するのでリフレクタって名前がついているんですか? ルートをリフレクトするからルートリフレクタ。


YES。まんまでしょ。


相変わらず語源を知ると地味ですよねぇ。単語の響きは凄く格好いいんですけど。


ふふふ


なぜ不敵な笑い!?


あんたも分かってないわねぇ。いい? BGPを使えるルータってのはネットワーク機器の中でもかなり上位機種なわけよ。単価も重量も大きさもローエンド機器とは段違い、それこそスポーツカークラスの装置。それをルートリフレクタに設定する時の中二感ったら凄いわよ。アドレナリン出まくり。


さっぱりイメージが湧きませんが……。


たとえば前職の後輩が3人がかりで起動確認してたんだけど
その時の台詞が

 A 「ルートリフレクタ起動!」
 B 「ピアステータス・エスタブリッシュド!」
 C 「フルルート……来ます!」

だったからね。みんな凄いノリノリだったわよ。


………。


なんか思い出してきたら気持ちが昂ぶってきたわ。よし、今日の客先確認作業、中二っぽくやるわよ。『BPDUガード起動!』『error-disable発現しました!』みたいに。ちょっと台本書くから桜坂、今から読み合わせやりましょう


!? い、いやですよ。
今日の作業ってお客さんも立ち会いありじゃないですか。オフィシャルの場で邪気眼ノリはさすがにきついです。勘弁してください。


まぁそう言わない。ほら、ヒューマンエラー防止に指差呼称は効果的って言うでしょ? 最初は照れるかもしれないけど段々よくなってくるはずよ。


いやぁあああああああ!

(ずりずりと引きずって行かれる音)


【解説】

ルートリフレクタ:
BGPにおいて特定ルータに経路情報を集約・配布する仕組み。
フルメッシュ・ピア(接続)を削減できる代わりにシングルポイント(単一障害点)作成の危険があるため、設置にあたってはバックアップリフレクタの検討が必須。なお同様のフルメッシュ解決手法にコンフェデレーションがある。

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