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青山小学校が導入、ThinkPad Tablet 2は授業をどう変えるか

2013年02月22日 09時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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教科書の内容を伝えるだけでは、教員の役割は果たせない

 青山小学校の竹村 郷副校長は「(学校には)新採用の教員でも授業ができるような指導書がある」が、「相手は生き物です。能力も違えば性格も違う。だから指導差が出てくる」とコメント。

青山小学校の竹村 郷副校長

 (1)実社会や実生活につながる教育をしていくためには、基礎知識の習得だけではなく教科書の掲載内容を超えた幅広い知識の活用が必要であること、(2)基礎的な指導内容は誰が教えても手に入るもの。教員にはそれを教えるだけではなく高い専門性が求められる、(3)教育内容を拡大し、現実性を加味するためには教科書の素材だけでは足りず、新しい指導内容を考えていく必要がある──などとした。

 これらを踏まえた上で最も重要なものは「五感で学ぶ」ことだと竹村氏は話す。教示すること=知識を単に伝達することではない。デジタル教科書や電子黒板は視覚的に情報を伝え、音声も表現できるため、情報伝達の時間を圧縮できる。その余った時間を主体的に学び、考えを児童の間で伝え合い交流する時間に当てるのが重要だとする。

iPadに対する利点はという質問に、日本マイクロソフト業務執行役員の中川哲氏は「ウィンドウ“ズ”ということで、複数の窓が立ち上がる点はひとつの利点。シングルタスクで全画面もできるし、複数ウィンドウを開いてキーボードマウスを使えると言うのが生徒側の利点。管理者側の利点としては、生徒が遊んでないか、が分かる。40人の生徒がPCで何をしているかが先生が一括で見られるし、警告を出したり、止めることもできる」と利点を示した

 「教える」から「学び方をつたえ、交流し、主体的に学んでいく」。こうすることで情報が飛び交う授業を目指す。教師にはその情報を交通整理し、本当の価値を見出すために力量が求められる。下調べや、情報そのものを知っておかないと立ち向かえないとした。

 「事実以外の行間を読み取る。目の前の不思議だなには、人の意図が働いている。本質を見極めることが重要になってくると思う。変化の激しい基盤社会では常識が常識ではなくなる。しかし、変えてはいけない。授業の本質は昔から変わっていない。将来の日本、将来の青山を担う人材を育成したい。その意味でタブレットに期待している」と竹村氏は話した。

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