TITANで追加された新機能
TITANでは新機能がいくつか追加された。まずゲームユーザーに直接メリットがあるのが「GPU Boost 2.0」だ。GeForce 600番台のGPU BoostはTDP(Power Target)の枠内で自動オーバークロックする仕様だったが、2.0になってPower Targetに加え、指定した温度(Temperature Target)の枠内でもオーバークロックするようになった。
標準のTemperature Targetは80度だが、これを上げればコアのブースト状態がより長く発動されたままになる。さらにTITANでは、コア電圧アップも併用することで、さらにブースト時間を長くするくふうを採り入れている。
また“Display Overclocing”と呼ばれる機能も追加された。この機能は液晶ディスプレーのリフレッシュレートがオーバークロックの対象となる。120Hz対応液晶を使わずにゲーム画面のティアリング※を防ぐためには、Vysncオンか60fps制限をかけるのが従来のやり方だ。しかし、この方法だとGPUパワーがフルに使われない状況になり得る。
※ 画像処理が追いつかず、現在の画面と直前の画像が混ざって描画されること。ちらつきや歪みの原因となる。
そこで強引にディスプレーのリフレッシュレートを80Hzに引き上げ、より高いリフレッシュレートでティアリングが発生しない画面を映し出すというものだ。ただし、長期的に使用すると液晶ディスプレーにダメージを与えてしまうため、マニアのための自己責任上等な機能といえる。
この2つの新機能はカードベンダーのOCツールで実装されて提供されるため、リファレンスドライバーだけではカスタマイズできない、というのは従来の600シリーズと同じ扱いだ。
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