それではSamsungが力を入れているTizenの役割は?
最後にSamsungがIntelと進めているLinuxベースのモバイルプラットフォーム「Tizen」について動きを紹介しておこう。年末年始から、NTTドコモ(Tizen Associationの理事会メンバー)の関与を含めて憶測がいくつか出ているが、Bloombergは1月初めに「2013年中に端末をリリースする計画だ」というSamsung幹部の言葉を報じている。
SamsungがTizenをどのように展開するのかは、難しい舵取りになりそうだ。アプリのエコシステムをどうするのか、最大手Samsungが中心となって推進するTizenを、それ以外のメーカーが本当に採用するのか(Nokiaが最大手のときにスタートしたTizenの前身である「MeeGo」のライセンスを受けた端末メーカーは結局現れなかった)といった疑問が沸く。ちなみに、Tizen Associationに席を持つ端末メーカーは、富士通、NEC、Panasonic、Huaweiなどとなっている。
それでも、Apple、Google(Motorola)、Microsoft(Surface)、Amazon(Kindle)と、ハードウェアからサービスまでの垂直モデルを持つことが重要になる中で、Samsungもなんらかのプラットフォームを発展させる必要はありそうだ。今年はKindleフォン、Surfaceフォンが登場するとウワサされているからなおさらだ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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