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業界人の《ことば》から 第28回

転換期を迎えるシャープのビジネス

オンリーワンはホームラン狙い、スモールヒットの経営へ

2013年02月26日 09時00分更新

文● 大河原克行

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オンリーワンからナンバーワンへの転換

 もうひとつのキーワードが、「作り手論理の“オンリーワン”から、顧客重視の“ナンバーワン”」への転換である。

 「オンリーワン」という言葉は、町田勝彦相談役が社長時代から掲げてきたシャープの代名詞ともいえる言葉だ。

 事実、液晶ディスプレイやプラズマクラスターイオン、ヘルシオによる過熱水蒸気といったシャープ独自の技術が、同社の成長を支えてきたのは、誰もが認めるところだ。

 だが、その一方で、「オンリーワン」の弊害もいくつか出始めていたともいえる。

 ひとつはオンリーワン技術に頼ることで、その技術から逃れられなくなり、新たな領域への展開に出遅れたという点だ。

 液晶テレビの不振はその最たるものだ。

 奥田社長は、「シャープが経営危機に陥り、ステークホルダーの信頼を大きく低下させた理由には、外的要因もあるが、むしろ、液晶事業への過度な集中や、変化への対応の遅れ、顧客志向の欠如などの内的要因が多いと反省している」と語る。

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