さて、モバイル複合機と書いたが、筆者はこの製品の魅力は外出先に携帯して持ち運ぶということよりも、オフィスの机から会議室など屋内での移動、家庭であれば使用するときだけ取り出して、そうでないときは棚などにスムースに移動できるといった、必要に応じて使用する場所を変えられるという点にあると考えている。
フラットベッドタイプのスキャナーを備えたA4複合機の場合、それが家庭用の比較的コンパクトな機種でも、デスクからデスクへ移動させるとなれば周囲を巻き込んだいち大事になってしまうだろう。しかし、本機であれば電源をとる必要すらなく、場合によってはBluetooth経由で印刷すればPCやスマートフォンから気軽に出力できる。USB接続の必要ない、完全ワイヤレスのプリント環境があっという間に実現するのだ。
部内で言えば、普段は机の下に置かれた本棚などに置いておいて、使いたい時に取り出して使える。「ちょっと貸してください」「はいどうぞ」といった感じで、数分後には快適なプリント/コピー/スキャンのための環境ができてしまうのである。
突然のトラブルも解消!
会議を快適にするツールとして応用できないかを考えてみた。
会議中に、いま複合機があれば……と思ったことはないだろうか。
必要枚数揃えていたはずの資料が足りない。今すぐにこの資料をクラウドで共有しておきたい。資料に訂正すべき箇所が見つかったが量が多すぎて直してもらうまでに時間がかかりすぎる……などなど、複合機さえあれば必要な書類をその場で配布したり、ホワイトボードに書いた内容を写真で撮影してその場で共有するといった形で対処できるはずだ。
こうした問題というのは得てして、意図せず起きるものだと思う。
便利さを感じた例のひとつを挙げる。ホワイトボードに書いてある決定事項を、全員の手元に、確認できる状態で置いておきたい。そんなときにどうするだろうか? 新人社員にメモをとるように指示するだろうか。それとも、デジカメで撮影してクラウドやメールで共有するだろうか。
本機があれば迷うことはない。スマートフォンで撮影して、Bluetooth経由で印刷してしまえば良いのだ。仮にそれが、ホワイトボードのコピーであっても、体裁の整った正式なものができるまでの書類として十分な役割を果たす。
次の例は、書類に大規模な間違いを発見してしまった場合。しかも元のデータは手元にない。一人一人に訂正してもらうと齟齬が生じる恐れがあるし、そもそも手間がかかる。目の前にはイライラとした顔つきの上司。こんな状況になったことはないだろうか。
そんなときでも本機があれば、担当者が訂正したものをスキャンし、再度プリントすれば正確に訂正された書類を必要枚数用意して、配り直すことができる。
大企業であれば会議室にも複合機が常備されているというケースが多々あるかもしれないが、小規模な会社では中々そうはいかないだろう。ノートPCを持っていくような感覚で携行できる複合機Officejet 150 Mobile AiOがあると、何かと便利に感じた。