レンズのズーム画角の違いをチェック
10-30mm
30-110mm
10-100mm
3本のレンズのズーム時の画角を比べてみた。10-30mmと30-110mmは倍率を抑えている分、性能に余裕がある。レンズ交換の手間はかかるものの、十分なシャープネスが得られる2本だ。
高倍率ズームなため仕方ない部分だが、周辺部の倍率色収差が若干めだってしまう。多少大きめではあるが、これ一本で広角から望遠までカバーできるのは便利だ。
特殊効果が使える「クリエイティブモード」も搭載
両機種とも特殊効果を得られる機能は「ソフト」、「ミニチュア効果」、部分的に色を残してほかの色をモノクロにする「セレクトカラー」など8つ(S1は7つ)のモードが備わっている。それぞれ強弱や色の選択は可能だ。種類としては少ないが、実用性の高い機能が備わっている。
1型センサー搭載ながら画質は優秀な両機種
やはり写真の精細感はJ3が上
1型というコンデジに近いサイズの撮像素子を採用しているため、マイクロフォーサーズやAPS-Cサイズを搭載するミラーレス機よりも画質の点で不利なのは仕方がないのだが、J3とS1はローパスフィルターを省くことで、かなり高精細な画像を記録することができている。
特に遠景の作例を細部まで確認すると、モアレはほとんど見られず、とても高精細な描写になっている。画像処理で高精細感を引き出した機種にありがちなエッジ部分の野太い描写ではなく、線が細くもしっかりとしたエッジを持った自然な空気感を記録できる。
J3、S1ともに階調感や感度 画素数などにおいてはあまり違いはない。ともに画質と携帯性とがバランスよく両立できているデジカメだと思う。
ただ、違いを感じたのは精細感。J3のほうが画素数が多いのでより高精細なのは当然ではあるが、その画素数の差以上にきれいな写真が撮れると思った。より高画質な写真を撮りたいならJ3がおすすめだろう。