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石狩立地の真の理由は災害リスクでも、コストでもなかった?

さくら田中社長が考えたポスト石狩の「予想外」と「未来」

2013年02月04日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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「発電所=データセンター」という未来のための石狩

 石狩データセンターには、これまで通り最新の省エネ技術を積極的に導入していく。大きな話題となったHVDCに関しては、太陽光発電や燃料電池と組み合わせることでより高い省エネ効果を狙う。送電ロスをゼロに近づける「超伝導送電」などの実験も進めており、まさに最新技術の実験場である石狩データセンターの面目躍如といえる。さらに今後は石狩の天然ガス基地や建設が予定されている火力発電所やメガソーラーなどのエネルギーを積極的に活用し、“地産地消”していく計画だ。

「エネルギーのあるところにデータセンターを置き、ネットワークを引いていきます」

 こう聞くと、データセンターと発電所は将来的に同一化していくのではないかと思われるが、果たして田中氏も「エネルギーのあるところにデータセンターを置き、ネットワークを引いていくという考え方になります」と記者の意見に同調した。裏を返せば、災害リスクやコストだけではなく、将来的なエネルギー計画まで想定し、石狩という場所をデータセンター用地として選んだわけだ。石狩にこだわった田中氏や、そのプランを二人三脚で進めているという石狩市長の慧眼に、末恐ろしいものを感じてしまった。石狩データセンターのストーリーには、まだまだ続きがあるわけだ。

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