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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」第113回

iPolysix開発者インタビュー前編

あの「Polysix」が30年の時を経てiPadアプリに

2013年02月02日 12時00分更新

文● 四本淑三

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iPolysixは音源アプリではなくワークステーション

―― すると相当に長い間開発を重ねてきた結果が、このiPolysixにつながっている、と。

福田 そうですね。特に2012年は「Polysix三兄弟」が一気に出てきた年ということで。iPolysixが最後の三男坊という感じですね。ただ、iPolysixはLegacy Collectionとはまったく別のものですから。

中島 音源的にもパラメーターの追加をしていますしね。

福田 基本的な信号処理は一緒ですけど、別のシンセになっていると思います。UIから構成から何から。Legacy Collectionは本当にただの音源だったんですけど、これはPolysixのワークステーションですよね。

ワークステーションとして、メインのシンセサイザー以外にドラムマシンも内蔵。6パートの音源が使える「Drums-6」の入力もステップ・シーケンサー式。手動で鳴らせるパッドも付いている

ドラムマシンの音源は、それぞれPolysixで音を作り、サンプリングしたものを鳴らす仕組み。従って音の自由度は高い。ドラムマシン用の音色エディット画面は、一見シンセパートと同じに見えるが、アルペジエーターがエフェクトに置き換えられるなど細部は異なる

ドラムマシンのシーケンサーは、ステップごとにピッチの設定も可能。つまりPolysixの音源を使った、6パートのサンプリング・シンセサイザーと考えてもいい。これを上手く使いこなすと、他人とは違ったオリジナリティの高い音が作れるはず

最終的に各パートの音量や定位、エフェクトのバランスを設定するミキサー「Mixer-8」の画面。エフェクトは同時に1種類しか選択できないが、ディレイ、リバーブのような空間系、コーラス、フランジャーのようなモジュレーション系、コンプレッサーやディストーションなどのゲイン系、そして各種イコライザーなど種類は豊富

―― アナログ時代にワークステーションはなかったですもんね。

福田 だから全然違う楽器として作っています。これで久しぶりにPolysixをやり始めて、あらためてハードと比較したんですけど、本当にいい音がするんですよね。Legacy Collectionの頃に使い始めた技術なんですけど、今でも十分に使えるというか、ある意味驚きました。

―― じゃあシンセ部分の開発に関しては何の苦もなく?

中島 いえ、やっぱりCPUの負荷が……。

井上 ええ、問題は負荷ですね。

―― やっぱり、さすがに6音ポリともなると……。

福田 iPad miniも、iPad 2くらいの性能なんですけど、まだ十分とは言えないですね。だから相当に負荷を減らすようにがんばりましたけど。

―― 僕はiMS-20のために初代のiPadを買ったんですが、まだ2年しか経ってません。もう初代のiPadじゃダメなんでしょうか……?

中島 初代iPadでも、魅力が十分伝わるくらいにはお使いいただけると思います。

―― ああ、さすが、うまい言い方を。

中島 でも2台分フルに使って6音+6音でモジュレーションをかけるとか、限界まで性能を引き出そうとすると厳しい感じはします。ノイズが出たりするので。一応、推奨はiPad 2以降とさせていただいております。ただ、初代iPadでも普通に使う分には問題ないと思います。



(後編はiPolysixに追加された機能や、「AudioBus」や「VirtualMIDI」など他アプリとの連携機能についてうかがいます)



著者紹介――四本淑三

 1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。


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