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富士見iPhoneクラブ 第104回

海外進出を狙うiPhoneクラブが米西海岸の情勢を聞いた!

2013年02月04日 15時00分更新

文● iPhoneクラブ製作委員会

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回線が強いのはアメリカよりも東京なのだ!

マッチャン アメリカでは圏外になることも少ないです。LTEの周波数も日本のiPhoneは2.1GHzを使ってますよね。でも、アメリカでは700MHzが中心なんです。だから部屋の奥とかでも、強く入ってきます。

じまP LTE天国ですね。

マッチャン LTEの速度が、家のADSLの6倍ですから。だけど、向こうは固定回線が壊滅的なんです。最大6MbpsのADSLが月に40ドルとか。

カリー それはアンバランス……。動画を見るのにも、結構難儀しそうな感じ。

マッチャン Apple TVで、1080pの3分ぐらいの予告編映像を昼間に見ようとしたら、ダウンロードに4分から5分ぐらいかかるんです。家で講義の映像を撮って、それを日本に送ったりするんですが、MacBookについているHDカメラの一発撮りで35分とか40分とか収録すると3GBになる。それを日本にアップロードするのに7時間とか8時間とかかかってしまいます。

じまP うわ、それは手間ですね。

カリー アメリカといえば、IT大国というイメージなのに……。しかし、何でそんなに回線が整備されないんでしょう。

マッチャン 単純に広いんですよね、国土が。物理的に回線を引くのが大変なんです。LTEとかWiMAXとか、無線でないと厳しいところがあるんです。問題はアップロードが遅いことです。「Flickr」とか「Dropbox」のように、アメリカにサーバーがあるのはまだマシですが、日本のサーバーに送るとなるとさらに時間がかかってしまうんです。

じまP じゃあ、FaceTimeはどうなんでしょう。

マッチャン みんな、家族と話すのに使いまくってますね。3Gでもなんとかなりますから。実はUstreamもその用途で使われることが多いんです。地球のどこにいても、家族にビデオレターが送れるみたいな感じで。もともとUstreamは軍に従事している人が、家族にどこからでもメッセージが送れるように、というのがスタートですから。

カリー 軍隊を世界に派遣しているアメリカらしい話ですね。日本のビジネスマンでそういう使い方をしている人はもちろんいるでしょうが。

ちなみにUstreamの創業者2名は所在地であるウエストポイントで知られる陸軍士官学校出身である

マッチャン ただ、ライブキャスト系は、Ustreamよりlivestream(http://www.livestream.com/)の方が来ている感じですけど。YouTube Liveもスタートしましたが……流行っているとまでは言えないです。さっき話した、アップロードが遅いというのが足かせになっているんです。

カリー そう考えると、日本ではiPhoneでニコ生とかUsteramとかを配信して、それをまたiPhoneで見たりしているけど、あれはとても贅沢なことと言えそうです。

マッチャン そうなんです。iPhone 4が出たときに日本ではiPhone 3GSでUstream中継していたりしたじゃないですか。あれはアメリカではありえないことなんです。だから、回線で見れば、東京がベストエクスペリエンスの場所と言えるでしょうね。

カリー 日本が意外にも最先端を経験できる場所なんだ!

ニッシー LTEでちょっと変わったかもしれませんが、3G時代までは海外で同時期の東京より電波状況がよかった経験は基本的になかったよ。正直な話。

じまP それなのに我々はぜいたくにも「なんだこの『マップ』は! 使えないぞ!」とか言ってたわけなんですね。

マッチャン あーあー……「マップ」はアメリカでもダメですよ。ナビゲーション機能はしっかりしているから、日本ほどまでにはひどく言われていないですが。

アメリカでもiOS 6の「マップ」は……という

カリー とは言うものの、話を聞いていると、やっぱりアップルはアメリカの会社という印象もありますね。コンテンツの調達や新しいサービスでも、もっと日本市場で頑張ってほしいとも思います。

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