いまだWindows XPの利用率が高い日本企業
PC業界が、Windows 8以上にWindows XPに高い関心を寄せる理由は、単に14ヵ月後にサポート期間終了を迎えるというだけではない。
それは、日本国内においては、まだ数多くのWindows XPが利用されているという特殊な状況にあるからだ。特に、企業でのWindows XPの構成比はまだまだ高く、その後に発売されたWindows VistaやWindows 7よりも利用率が高いとも推測されている。
財務会計ソフト「奉行シリーズ」を展開しているオービック・ビジネス・コンサルタント(OBC)では、「現在利用されているPCの約50%が、Windows XP環境だと想定されるが、当社の奉行シリーズの場合には、実に65%のユーザーが、Windows XPベースで稼働させている状況」(OBC・和田成史社長)だと語る。
現在、国内で利用されているPCは約7000万台という調査結果が出ており、これに約50%という推定値を当てはめると、実に3500万台規模のWindows XPが稼働していると試算できる。
つまり、2014年4月までに、これだけの規模のPCがリプレース対象になってくるというわけだ。
サポート終了まで、あと約14ヵ月。企業での利用が多いだけに、すでにそれに向けた動きが顕在化しようとしている。
「安倍政権の発足以降円安が加速し、予想以上に3月期の業績が上振れする企業が出ている。そうした企業の一部では、IT投資予算を急きょ増やしたり、予算消化策を検討するケースが出ている。そうした動きを利用して、Windows XPからのリプレースが進む可能性もある」と、ある業界関係者はWindows XPのリプレース需要に期待を寄せる。
移行先は、Windows 7かWindows 8のどちらになるか?
もちろん、Windows XPからのリプレースは、Windows 8というのが妥当な線だ。しかし実は、PCメーカー側では依然としてWindows 7搭載PCを生産できる環境を持っている。
そのため、タッチ機能の搭載など付加価値機能が多いWindows 8搭載PCよりも、低価格で導入が可能なWindows 7搭載PCを購入するといった動きが加速する可能性もあるのだ。
Windows XPからのリプレースが、そのままWindows 8の販売拡大にはつながらないという構図も生まれそうである。
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