このページの本文へ

画面キレイ、Atomは意外に高速、やっぱり薄くて軽い

ついに個人向け販売開始! ThinkPad Tablet 2の魅力を復習

2013年01月29日 09時00分更新

文● ASCII.jp編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

最新Atomのレスポンスは十分に実用的

 以上、薄型軽量で携帯性が高く、発色がよく視野角のパネルを採用しウェブ、写真、動画、そして複数人で囲んでの利用……とビューイング中心の用途が極めて快適。さらに比較的手が出しやすい価格帯で、本格的な利用はもちろん、お試し感覚で買う最初のWindows 8マシンとしても適しているのがThinkPad Tablet 2という印象だ。

ThinkPad Tablet 2はClover TrailことAtom Z2760を搭載する

 それでは性能や拡張性についてはどうだろうか。

 まずCPUはUltrabookなどに搭載されているCore iシリーズではなく、消費電力や発熱の低さを優先する一方で性能には多少目をつぶったAtomシリーズとなる。ただし、ネットブックなど過去の低価格モバイル機のレスポンスの悪さをイメージして使った場合、あっけないほど普通に動作する点に肩すかしを食らうかもしれない。

タスクマネージャー。あまりたくさんのアプリを立ち上げなければ、軽快に動作する

 Clover Trailこと、最新のAtom Z2760プロセッサーはベンチマークテストなどではなかなか表れづらいが、デュアルコア/4スレッドのなかなか良くできたCPUである。これに加え、Windows 8そのものが軽量化していることもあり、スリープからの復帰、アプリケーションの起動も含めて、レスポンスはなかなか軽快だ。

 過去のネットブックでは、一度アプリケーションを立ち上げてしまえばそれなりに使えるが、起動のたびにストレスがたまるというのが個人的な印象だったが、OSの起動は瞬時だし、ブラウザーなどのアプリケーションも期待をそれほど裏切らない速度で立ち上がってくれる。

 ThinkPad Tablet 2の場合、メモリーがオンボードの2GB止まりという制約があるため、たくさんのアプリを同時に立ち上げて利用するというケースでは厳しくなりそうだが、タブレットやスマートフォンでは、(バックグラウンドで動作させるとしても)実際に操作するのは1画面で1つのアプリというのが一般的。それほど不満にならないような気がする。キーボードを別途つないで使うケースはともかく、個人的にソフトキーボードの状態でWindows+Tabで次々とアプリを切り替えるというケースは少ないように思う。

USBは2.0がひとつだけだが、フルサイズ

 一方拡張性については、携帯性を優先したコンセプトのため最小限である。

 周辺機器接続用には実質USB 2.0のみ。ほかに外部ディスプレー接続用のminiHDMIが1系統あるのみだ(ドッキングステーション用の専用コネクタも用意)。カードスロットはデジカメなどで主流のSDメモリーカードではなく、携帯電話機などと同じmicroSDとなる。

この薄さでもUSBがフルサイズなのは特徴と言えるだろう

 左側面には、micro USBと同形状のコネクターがあるが、これは充電専用でデータ通信はできない。Androidタブレットなどで主流のmicro USB経由での充電に対応することで、緊急時の充電しやすさに配慮したものだろう。付属のACアダプターは2Aまでの供給が可能だが、0.5Aしか出力できないパソコンなどのUSB端子からでも充電自体はできるようだ。

 USB端子は1系統のみでバージョンの古い2.0とはいえ、フルサイズなので、変換アダプターを介さず、USBメモリーやプリンターやキーボードといった周辺機器を接続できる点はメリットだろう。

底部にはminiHDMI端子と、ドック用の端子がある

 SSDの容量は32GBまたは64GBまで。最低でも120GB台、最大では512GB程度の容量を持つ最近のノートに比べれば少ない。もっともデータ交換やバックアップ先としては、現在ではDropbox、SugarSync、Evernote、SkyDriveなど、無線LAN経由でつなげるオンラインストレージが豊富にあるため、実際に困ることはそれほどないだろうと想像する。

海外版では3G内蔵モデルもあるため、SIMカードスロットが上部に用意されている。メモリーカードスロットは携帯電話やスマホでデファクトになっているmicorSD

 このあたりは携帯性とのトレードオフといえそうな部分だが、ネットワークストレージをうまく活用するといろいろと応用が利く機械であるという印象はある。数日ではあるが、会議などに持参して使用してみたが、会議用の資料を事前にオンラインストレージで共有しておき、議事はそれを見ながら進行。

いまやカメラはモバイルデバイスの必須の機能と言える。写真だけでなく、簡単なメモやバーコードの読み取り、ARなど入力機器としてもぜひほしい機能だ

 インカメラに加えてアウトカメラを持つという点もなかなか利便性が高く、会議終了後にホワイトボードにまとめられた決定事項を撮影してオンラインで共有という流れがスムーズだった。Windows 8搭載だけに、互換ビューアーではなくマイクロソフト純正のOfficeアプリ、Officeビューアーが使えるという点も当然だが利点。

 Excelのスプレッドシート上にびっしりと並んだアクセス解析のデータや売り上げデータもレイアウト崩れなく確認でき、テキスト打ちにそれほどこだわらないのなら、これだけでも十分仕事になるという実感があった。

 このあたりは機会があるなら、ピュアタブレットの応用方法としてより詳しく考えてみたいところだ。

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中