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アニメファンならぜひ行きたい!聖地巡礼ツアー 第18回

アニメファンからミリタリーファンまで盛り上がる大洗

ガールズ&パンツァーの聖地・大洗で初日の出&初詣!

2013年01月27日 15時00分更新

文● 中村信博

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最後の攻防が展開された 若見屋交差点の戦闘

 路地の向こうにチラリと見えた敵戦車の姿から、敵部隊の動きを読んだ西住殿。裏通りからこの若見屋交差点に先回りし、表通りを進んできた敵マチルダIIを1両撃破、さらに回り込んで後続のもう1両も撃破! これで、聖グロリアーナチームの残りはチャーチル1両のみ。ここで雌雄を決することを選んだ西住殿、チャーチルの側面に潜り込み、相討ち覚悟で砲弾を発射! しかし敵の重装甲に阻まれて貫けず、一方で敵の砲弾はIV号戦車で最も装甲の薄い砲塔部を直撃。こうして大洗女子チーム初めての対外試合は、敗北という結果で終了した。ある意味記念碑的なロケーションである。

「右折したら、壁に沿って進んで急停止!」その壁は、実際には建物。ここで右から出てきたマチルダIIを至近距離から攻撃する

さらに回り込んで、後続のもう1両も撃破。IV号戦車D型の7.5cm KwK37/L24砲は、通常の徹甲弾では41mm程度(射距離100m)の貫徹力しかなく、マチルダIIの砲塔は撃ち抜けない。実はこのシーンで、主人公達はGr38成型炸薬弾という特殊な砲弾を使用しているのだ。その証拠に……

味方を押しのけて進んできたチャーチルを攻撃するが、撃破ならず! 成型炸薬弾とは、モンロー効果により熱エネルギーを一点に集中して分厚い装甲板を貫通する砲弾のこと。劇中でチャーチルの砲塔側面に残された黒い炸裂痕が、この成型炸薬弾を使ったことを示している

ジグザグに砲撃をかわしつつ、さらにチャーチルの右側面に回りこんで決着を付けようとするIV号。ラストは相打ちのように砲弾を交わした両車だったが、結果的にIV号の側に撃破判定が出て終了した……

 このあたりを解説すると、Gr38の装甲貫徹力は75mm(射距離100m)だが、チャーチルMk.VIIの砲塔前面の装甲厚は152mmという分厚さ。対してチャーチルのオードナンスQF.75mm砲は同距離で90mm前後の装甲を撃ち抜けるが、IV号D型の砲塔前面の装甲厚は30mmしかない。さすがは「これでヒットしなければ、もう2度と日本で戦車アニメは作れない」とまでいわれたガルパンだ。設定が細かい……!

地元と一体になって盛り上がっている大洗
ミリタリーファンも楽しめるのがポイント

 いやあ、楽しかった! もともと旅行が大好きで、この聖地探訪企画も毎回仕事を忘れる勢いで楽しませてもらっているけれど、今回はさらにミリタリー要素も加わって終始ワクテカしながらの取材となった。いま大洗の街はたくさんの聖地ファンでにぎわっているようだが、中には筆者のように戦場巡り(聖地巡礼ならぬ戦地巡礼)をしているような気分で回っているミリタリーファンもいるかもしれない。

 毎年恒例の年末年始企画、今年は聖地探訪も加えた特別篇。2013年も各地のアニメ聖地を巡る予定なので、ラリーともどもよろしくお願いいたします。

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