グループウェアはビッグデータに飲み込まれる
もう1つ今後の動向で興味深いのは、ビッグデータとの関係性だ。両者の関係はまだあまり言及されないが、今後ビジネスアプリケーションはクラウド化した瞬間に、ビッグデータと無関係ではいられなくなる。ユーザーはさまざまなデータをクラウドに集めだし、クラウドベンダーはそのデータを解析したアウトプットをユーザーに還元することが求められる。
青野氏は、「パッケージ版の時は、ユーザーがそもそも製品を使っているかすらわかりませんでした。しかし、クラウドではユーザーの利用動向もわかるし、データもどんどん溜まってくるんです」と述べる。実際、kintone上に機械の動作ログを自動アップロードして使っているユーザーすら現われているとのこと。青野氏は、「今後、グループウェアはビッグデータに飲み込まれます。Salesforceがなぜクラウドへの転送制限をかけているのか、ようやく理解できました」とビッグデータへの危機感を強める。一方で、ビッグデータの利用を前提とし、たとえばkintoneでは登録可能なレコード数の上限を向上させるべく、開発を進めるという。
インフラのレイヤから進んできたクラウドは、緩やかにアプリケーションレイヤを覆いつつある。そして、アプリケーションのさらに上位となるデータレイヤーに進む段に至って、ITベンダーにさらなる変革をもたらすだろう。この変革に対し、決して“クラウドネイティブではない”ではないインターネット時代の国産ベンダーがどのように立ち向かうのか? 2013年は次の舵取りが求められる。