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アプリ開発でマインドシェア高いAndroid、優先度はiOS

2013年01月25日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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 英Vision Mobileが最新のモバイルアプリ開発調査レポート「Developer Economics 2013」を発表した。端末側で大きなシェアを持つAndroidとiOSだが、モバイルアプリ開発者にとってはマインドシェアはAndroidが、開発優先度ではiOSがトップを占めた。

 このレポートは世界95ヵ国3400人のモバイルアプリ開発者に2012年秋にオンラインで調査を行ったものをまとめたものだ。回答者を地域別に見ると、欧州が約39%、アジア27%、北米24%などとなっている。

次の開発プラットフォームとして、Windows Phoneの人気は高い

 開発者に「ユーザー数」「開発コスト」「学習曲線」「開発環境」「ドキュメンテーションとサポート」「アプリケーションの発見」「潜在的な売上のチャンス」「リードしているプラットフォーム」の各項目について、どのプラットフォームが優れているかを聞いたところ、iOSとAndroidについては、「ユーザー数」は同じとなったが、「潜在的な売上げのチャンス」「アプリケーションの発見」など5項目でiOSがAndroidよりも多かった。

 中でも売上については66%がiOSを挙げており、開発者は概してApp Storeに満足している現状を示唆する結果となった。Androidは「開発コスト」「学習曲線」でiOSを上回ったが、この2項目はAndroidもiOSもともに低いことから、開発者の満足度は低いとVision Mobileはみている。iOSとAndroidを利用する開発者のうち24%が、学習曲線でHTMLを挙げた。Windows Phoneは7%にとどまった。

ユーザーベースでは互角のAndroidとiOSだが、収益性のポテンシャルでは大きな差があると見られている

 利用しているモバイルプラットフォームを調べる“マインドシェア”は、Androidが72%でトップとなった。2012年6月のデータと比較すると、Androidは68%から4ポイント増加している。2位のiOSは61%から56%に減少した。一方、前回候補に挙げていなかったHTMLは今回50%を獲得、「HTMLはAndroidとiOSの2トップに次ぐ代替技術」としている。HTMLに次いで多かったのはWindows Phone(21%、前回と変わらず)、BlackBerry(16%、前回と変わらず)の順だ。

 開発者の74%が複数のプラットフォームを同時に利用しているが、優先度という点では、iOS開発者の48%がiOSをメインのプラットフォームに挙げた。iOSのほか、AndroidとBlackBerryが優先度の高いプラットフォームを独占しているという。

 計画のあるプラットフォームを聞いたところ、Windows Phoneが前回と変わらずトップとなった。Vision MobileはMicrosoftの開発者向け戦略について、「開発者の関心は得られているが、開発者側はコンシューマーの受け入れが始まるのを待っている状態」とする。同時に「Windows Phoneアプリ開発に資金提供するというMicrosoftの取り組みは、開発者の奨励策とうまく連携していない」とし、起動に載せる部分で問題があると指摘する。

 アプリからの売上については、最も多かったのは広告で、38%が広告売上を挙げているという。次いで有料ダウンロード(32%)、アプリ内課金(26%)、無料ダウンロード後に付加機能を有料提供するフリーミアム(25%)となった。有料ダウンロードは前回(2012年6月)より減ったが、広告、アプリ内課金、フリーミアムは前回より増えた。

 複数のプラットフォームをターゲットにしている開発者の方が売上が高く、6種類のプラットフォームを利用する開発者は平均して1アプリあたり月4943ドルの売上げを計上していた。1アプリあたりの月間売上は、5種類は2960ドル、4種類は2155ドルと減少し、2種類の場合は1017ドル、1種類は653ドルとなっている。

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