通常撮影環境でのiPhone 5の実力は驚異的!!
YouTubeで見る限り、画質にあまり違いが見られないが、フルHDのテレビなどにそのまま出力した場合はどうか。そこで実際にテレビに映像を出力して画質をチェックしてみた。以下は各機種で撮影した動画から静止画(1920×1080ドット、クリックで原寸拡大)を切り出したものだ。
iPhone 5の撮影サンプル
iPhone 5は正直なところ、ちょっと驚くほどの実力を発揮した。1080pのフルハイビジョン動画という点ではやや解像感が甘く感じるものの、輪郭の乱れや細部の描写に破綻が少なく、見やすくきれいな映像だ。
解像感を欲張らず、ノイズを抑えたバランスのいい映像で、スマホ内蔵のコンパクトな光学系では専用機と比べて圧倒的な差があると思い込んでいた筆者はかなり驚いた。
実際、撮影した映像はHDMIアダプターを使って薄型テレビで確認しているが、40型クラスの画面で見てもそれほど不満を感じない。少なくともちょっと前の720p動画の頃に比べれば、十分にハイビジョンらしい情報量を備えていると言える。
もうひとつ感心したのが色再現。ストレートなモニターライクの再現となっていて、いわゆる鮮やかさや濃密さを感じさせるものではないが、花の部分の赤や黄色、茎や葉の緑の階調をスムーズに再現。実に正確な再現で、ある意味もっとも忠実度の高い再現と思った。
さすがにハイエンドビデオカメラは格が違う!
ビデオカメラで画質が優秀だったのは、ソニーのHDR-PJ790VとキヤノンのiViS HF G20。この2モデルはハイエンドモデルということもあり、さすがに格が違う解像感ときめ細かなディテール再現を見せつけた。
ソニー HDR-PJ790Vの撮影サンプル
トータルバランスでは、コントラスト感の高いメリハリの効いた画質のPJ790Vがもっとも好ましいと感じたが、解像感という点ではiViS HF G20がやや優位。ただし、輪郭線にジャギーを伴う部分が多少あるのが気になった。
キヤノン iViS HF G20の撮影サンプル
色再現については、彩度の高い色を華やかに描くPJ790Vと、彩度の高い色から低い色までの階調の滑らかさを重視したiViS HF G20となり、評価としては同等。生き生きとした描写ならばPJ790V、派手さはないが自然でリアルな表現となるのがiViS HF G20だ。
JVCケンウッド GZ-VX895の撮影サンプル
次点としては、JVCケンウッドのGZ-VX895もサイズを考えればかなりの実力で、解像感、ノイズの少なさの点ではかなりの実力だ。
色はやや濃いめの再現で、チューリップの赤など、濃い色の濃淡がやや潰れ気味にはなるが、全体の印象としてはビビッドで豊かな色が魅力的な画質だと感じる。
スタンダードモデルの画質はiPhone 5と差がない!
気になるのはスタンダードモデルの3機種。それぞれに画質傾向の差はあるのだが、残念ながら、iPhone 5と比較すると圧倒的な差とは言い難い。
ハイビジョンらしい解像感という点ではHDビデオカメラが優位となるが、輪郭の不自然さやノイズ感などが少々感じる。対して、iPhone 5は解像感とノイズ感のバランスがいいため、粗が目立ちにくいのだ。
つまり、晴天の屋外や十分な光量が得られる室内などであれば、iPhone 5のHD動画も専用機に優るとも劣らない実力を発揮できることがわかった。
正直なところ、これは意外な結果だ。専用機のスタンダードモデルが決してよくないのではなく、iPhone 5が想像以上にいいということだ。
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