中国でどうしてもスマホを買わなければならなくなったら……
これに対し、中国のITニュースサイトのニセモノ対策の記事では「IMEI(国際移動体装置識別番号。つまり端末識別番号)のチェックページで購入機種のIMEIに重複がないかチェックしよう」「ロゴの印刷品質がおかしくないかチェックしよう」と対策を呼びかけている。
また人気機種の場合、百度で「真假 (機種名)」で中国語サイトを検索すると、機種限定で本物と偽物の区別の仕方が書かれているページがリストアップされる。中国でスマートフォンやタブレットを買うときはこうしたサイトを購入時にチェックするといいだろう。
こうしたニセモノはハードウエアだけに問題があるとは限らない。中国のニセモノのスマートフォンには悪意のあるソフトウェアが入っていることがあり、勝手にデータ通信をしたあげく、冗談のような高額請求がキャリア会社からされるという話や、「お金を振り込んでほしい」というオレオレ詐欺のショートメールを電話帳の登録先に発信したという話をしばしば聞く(第三者でなく、本人からの連絡なので引っかかる人は増えたとか)。怪しい製品にはこういうトラブルがあるのも覚えておこう。
安全な使い方を提示するも中国ユーザーの反応は……
ここ1年における中国のセキュリティーベンダーのレポートによれば、スマートフォン向けの悪意あるソフトウェアの数が何倍にも増えているという。
またAndroidのROMを交換するサービスが身近になっているが、これも交換したROMの中に悪意あるソフトウェアが中に入っているケースが多々あり危険だと指摘する。
この対策として専門家は「ROMを交換せず、JailBreak(ユーザー権限による制限の強制解除)をしてむやみやたらにアプリをダウンロードせず、App StoreやGoogle Playなど信頼できるところからソフトをダウンロードしましょう」と対策を語るも、中国のユーザーからは「JailBreakができなかったらiPhoneの価値は半減」「そもそも最近(中国から)Google Playにアクセスできなくなってるのですが!」といった声も上がっている。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)を執筆。最新著作は「日本人が知らない中国インターネット市場[2011.11-2012.10] 現地発ITジャーナリストが報告する5億人市場の真実」(インプレスR&D)。
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