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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第13回

スマートフォン+ウェアラブルで自分のビッグデータを作る

2013年01月20日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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自分という生き物にまつわる数字とは?

 例えば企業の場合、数値の宝庫であることがほとんどです。登録ユーザー数、ウェブサイトのページビュー、Facebookページのいいねの数、売上の金額や件数、リピーターの数など、日々動き続ける様々な数字の中でビジネスを展開していくことになります。こうした数字をきちんと見られるようにすること、変動の要因を分析できることは、既に優良企業が取り組むべき重要な“習慣”になっています。

 では人についてはどうでしょう。

 人間は生物としても本当に良くできていて、お腹が空いたら何か食べたくなるし、疲れてきたら眠くなります。企業はマネジメント、すなわち操縦しなければ上手くいきませんが、それに比べると人間は自律神経によって、おおよそ自動運転しているような状態で生活することができます。これらについて考えなくても良いからこそ、日々の仕事や生活、あるいは人生にチャレンジすることができると考えられます。

 しかし、もし生活習慣を見直したい、と思ったときに、無意識で行なってきたことに目を向け、数値化して知り、これを改善するように働きかけなければなりません。そう考えた瞬間、私たちは1日24時間の間の、意識・無意識の行動を1つ1つ把握しなければなりません。

 万歩計は、1日中の歩数を記憶することができない我々に、1日の歩数を教えてくれます。あるいはジョギングをするときにストップウォッチ使えば、何分走っていたかが一目瞭然です。また最近食べ物をケータイやスマートフォンで撮影する人が増えていますが、これも何を食事したかが分かり、おおよそのカロリー計算に役立ちます。体重計や血圧計などがあれば、さらに自分の体の状況をきちんと知ることができるのです。

 ただ、無意識の行動がネックになります。例えば睡眠はどうでしょう。寝ている間に自分がどのように寝ているのかを覚えている人は少ないはずです。また睡眠時間は分かりますが、その睡眠の質がどうであったかを知ることも、あまり得意ではないでしょう。意識していても取れない自分に関するデータもあるのです。

 そして、これまで紹介してきた、活動量や食事、睡眠などをバラバラに管理することもまた、なかなか1人ではままならないのです。自分を知る、自分を観察することがいかに難しいかを思い知らされます。

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