コンパクトなボディでハイレゾ音源対応
iriver「Astell&Kern AK100」
韓国のiriverが高級Hi-Fiオーディオシリーズ「Astell&Kern」の第1弾として発売するポータブル音楽プレイヤーのフラッグシップモデル。
最高24bit/192KHzのFLAC/WAVとMP3を再生可能で、AACの再生にはファームウェアアップデートで対応予定のため、今回はWAV形式に変換して視聴した。本体には32GBのフラッシュメモリーを内蔵しており、microSDスロットを2基搭載する。ディスプレーは2.4型(320×240ドット)のIPSカラー液晶でタッチパネル操作にも対応する。なお、DACには英Wolfson社の「WM8740」を採用し、光デジタル入出力端子による「DDC/DACモード」搭載によりほかのオーディオ機器との連携も可能だ。PCとはmicroUSBケーブルで接続する。
高音質プレイヤーながら幅59.2×高さ79×厚さ約14.4mm、重量122gのコンパクトなサイズも魅力だ。連続再生時間はMP3で約20時間。実売価格は5万円前後。
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Shure SE215で聴く
AK100はワイドレンジで高音質ながら、音の輪郭が硬いような独特のクセがある。SE215による視聴ではハイレゾ音源も含めた全ての曲で同じ傾向が見られた。
- Chase the world
- ワイドレンジかつ、個々の音がしっかりアタック音を出して主張する。ボーカルも歯切れよく主張する煌びやかなサウンドだ。
- リアルワールド
- ギターのアタックが強烈で、個々の楽器にも存在感がある。ボーカルは脳内定位をしっかりと作り、声を聴きたい人には良い選択肢だ。ベースはタイトでやや控えといったところ。
- 無想曲
- 繊細な音を鳴らしており、ピアノの音はしっかりと厚みがある。低音は旋律をより丁寧に作り出す。
音質評価:★★★★★★(6)
コストパフォーマンス:★★★★★(5)
ソニー XBA-30で聴く
XBA-30の音の特徴とAK100の持つ独特のクセが上手く相殺し合い、バランスよく鳴らしてくれる組み合わせだ。
- Chase the world
- レンジが広く、個々の音が主張する上に中~高域もクリア。低音も音圧感を出しながら締まりのあるサウンドを出せている。
- リアルワールド
- ギターサウンドにキレとアタックの強さもあり、ボーカルも楽器とセパレートがしっかりと出せている。
- 無想曲
- やや音の厚みを持たせている。低域~高域まで伸びるため、曲全体の見通しが非常に良く、ピアノの音も自然で美しい。
音質評価:★★★★★★★★(8)
コストパフォーマンス:★★★★★★★★(8)
リーズナブルな価格でデジタルアンプ搭載
ソニー「WALKMAN F800」
Android 4.0を搭載するウォークマンのハイエンドモデル。CPUはTegra 2を搭載、ディスプレーは3.5型(800×480ドット)、タッチパネル対応でGoogle Playにも対応している。
音質面ではモバイル機器用のフルデジタルアンプ「「S-Master MX」を搭載し、ソニー独自の高音質テクノロジーを投入した。付属ヘッドフォンとの組み合わせで、周囲の騒音を98%カットする「デジタルノイズキャンセリング機能」にも対応する。独自アプリ「W.ミュージック」がインストールされ、MP3/WMA/AACなどのほかに、新しく可逆圧縮フォーマットのFLACにも対応した。
本体サイズは幅56.8×高さ114.6×厚み8.9mm、重量は100g。連続再生時間はデジタルノイズキャンセリングのMP3再生時間で約25時間。実売価格は16GBモデルで1万9800円、32GBモデルで2万4800円、64GBモデルで3万4800円ほど。
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Shure SE215で聴く
基本的に高解像志向のサウンドで、高域は特に美しい。全体的に音のアタック感はやや弱めだ。
- Chase the world
- 音のレンジを感じるサウンドで、ボーカルは音楽に埋もれがちだが個々の音は独立している。低音はタイトに締めながらやや控え目に鳴らす。
- リアルワールド
- 音数の多くが聴けて、ボーカルは空間の中に浮かべながら存在感を出す。
- 無想曲
- 中域はナチュラルなうえに、高域までクリアに美しく音が伸びる。ピアノはタッチの硬さと同時に音の輪郭と余韻も鳴らす繊細さを持ち合わせている。
音質評価:★★★★★★★(7)
コストパフォーマンス:★★★★★★★★(8)
ソニー XBA-30で聴く
プレイヤーの高解像度志向と同時に、ヘッドフォンの重低音の特徴もよく現れる組み合わせ。
- Chase the world
- 重低音を響かせるため、低音が目立つ。ただし、曲全域の音は比較的クリアで解像感もそれなりに出せている。
- リアルワールド
- ロック調の曲としては、重低音に大きな膨らみを持たせており、やや暴走気味だ。ギターラインはややアタックが弱く、ボーカルも特別前に出てこない。
- 無想曲
- 低音を強めに出しており、ピアノは響きを持たせる。高域までクリアに伸びるので曲としては十分楽しめる。
音質評価:★★★★★(5)
コストパフォーマンス:★★★★★(5)