法人ユーザーの期待が強い「Windows Phone 8」
もうひとつ期待されるのは、日本市場での投入が見送られている「Windows Phone 8」である。
Windows Phone 8は、NTTドコモやauが前向きな検討をしているとされるが、日本のスマートフォンメーカーが製品化を断念。結果として、国内での投入が見送られることになったという経緯がある。そうした点で、Windows Phone 8を採用した海外のスマートフォンメーカーを巻き込めば、国内でのWindows Phone 8の展開が可能になるともいえる。
すでに日本市場にAndroidスマートフォンを投入している海外メーカーが、Windows Phone 8でも日本語対応を積極的に図るようであれば、NTTドコモからWindows Phone 8が登場するということがあるかもしれない。NTTドコモにとっても、スマートフォンビジネスで起死回生が求められる中で、法人ユーザーから期待を集めているWindows Phone 8は重要な製品になりうる。それだけに、2013年にNTTドコモがWindows Phone 8を扱うのかどうかは注目に値する。
ウルトラCとして考えられるのが、Surface同様に、マイクロソフトブランドとして、Windows Phone 8搭載端末が登場することだ。Surfaceの動き次第では、スマートフォンでも同様の動きに至る可能性もあるだろう。
「Xbox」の路線は?
もうひとつ気になるのが「Xbox 360」である。
2005年12月の発売から8年目に突入したXbox 360は、そろそろプラットフォームそのものを刷新する時期に入っているのは誰の目から見ても明らかだ。2013年は、新たなプラットフォームへの移行が見込まれる時期だと捉えてよさそうだ。
しかし、これまでのゲーム専用機の路線を踏襲するのか、それともホームサーバーのような要素を盛り込むのかは未知数。その点でも、どんな方向に次期Xboxが進むのかが気になるところだ。
次期Windows「Blue」
2013年のマイクロソフトの動きを俯瞰してみると、ハードウェアの動きから目が離せなくなりそうだ。
もちろん、これまで以上にソフトウェアおよびサービスでもめざましい動きが出てくるだろう。Windows Azureでのアップデートが見込まれるほか、ローンチしたばかりのWindowsストアにおけるアプリの充実も見逃せない。
また、マイクロソフトに買収されて以降、あまり積極的な動きがみられないままのSkypeは、2013年には創業からちょうど10年目を迎えることになり、それにあわせて動きが活発化するといったことも期待されよう。
そして、早くも次期WindowsとされるBlue(開発コードネーム)の噂も広がっている。
Blueに関しては、現時点でも様々な憶測があるが、これをOSの提供方法の変化と捉えるとその動きにも期待をもてそうだ。
AzureやOffice 365では、新たな製品にバージョンアップするというよりも、ネットワークやクラウドを通じてアップデートするという考え方が前提となっている。
それを考えると、Blueも、Windows 8のアップデート版として提供されるとみると、より現実味を帯びてくる。
従来のWindowsでは、サービスパック(SP)によって、バグの修正や一部機能の強化を実施。Windows XPで提供したSP2では、パッチを当てたという表現よりも、OSをマイナーバージョンアップしたほどの進化と表現するマイクロソフト関係者もいたほどだ。
Blueが現時点で、どのようなものになるのかは分からないが、Windows XPのSP2のような位置づけであったり、Azureのようなネットワーク環境を通じたアップデートで展開するといったことも想定できよう。
そうなれば、次期Windows 8というようなマーケテンィグ上の大きなハードルを超えることなく、新たなものへと進化することが可能だ。そうした観点からみれば、Blueの動きは見逃せないないといえよう。
やはり、2013年もマイクロソフトにとってはにぎやかな1年となりそうだ。
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