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あなたのECサイトが稼げないたった1つの理由

2013年03月26日 11時00分更新

文●権 成俊/ゴンウェブコンサルティング、Web Professional編集部

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 「コンテンツを作ってSEOをがんばりましょう」「商品説明は動画も使って」「メルマガに登録してもらってお得な情報を送りましょう」「ソーシャルで集客してクーポンをばらまいて」――。ECコンサルの言葉を信じてがむしゃらにがんばっているのに、売上がなかなか上がらない。売上は上がっているのに、利益は出ない。

 “残念なネットショップ”の原因は、「がんばりすぎていること」にあります。もちろん、あらゆる施策を全部できればいいけれど、資金や人材リソースは無限ではありません。「やるべきこと」「やらないこと」を明確にすることが、稼げるECサイトの第1条件。そのためには「お客様の行動パターン」を知ることが大切です。

ECサイト「4モデル」で「やらないこと」を明確にする

 ネットショップとは一口に言っても、販売している商品によって、ユーザーの行動パターンは違います。サイトを訪れるユーザーの行動パターンを把握し、必要な施策を検討するのに便利なフレームワークが、「ECサイト4モデル式」です。

 「ECサイト4モデル」は、

  • 「ウォンツ」か「ニーズ」か
  • 商材の種類が「単品」か「多品」か

の2つの視点を組み合わせて、ネットショップ(BtoC型のECサイト)を4つに分類したもの。その関係をまとめたのが下の表です。

ec1-01.png

消費行動から分類したECサイト4モデル

 「ウォンツ」と「ニーズ」は明確に分けられるものではありません。たとえば、デジタルカメラに興味がある人は、“デジカメ”、“ミラーレス一眼”、“オリンパスPEN”などのようにキーワードを変えながら欲しいものを絞りこんでいきます。最終的に、“型番”まで絞り込んで検索する人が、もっとも「ウォンツ」に近く、購入率も高いのです。

EC01-G-2.png

ニーズからウォンツへ:欲しいものが明確になるにつれてキーワードが具体化+細分化する。カテゴリ名 > 商品名 > 型番

 このように「ウォンツ」と「ニーズ」は、本来商品そのものにひもづく購入の流れではなく、自社の売り方がどの段階のお客様をイメージしているか、ということです。「ウォンツ」と「ニーズ」については、次の表も参考にしてください。

欲求検索語
気持ち具体例種類具体例
ウォンツ獲得対象が具体的に決まっている、具体的な対象をイメージした獲得欲求水が飲みたい、ビールが飲みたい具体的な商品名、型番iPod、ルイ・ヴィトン、SC-02C
ニーズ必要なのに欠けているものを欲する、欠乏感を充足したいという欲求のどが渇いたジャンル、カテゴリー、シーン、悩みなどを指すもの携帯音楽プレーヤー、化粧品、カバン、お中元、お歳暮、顔のしわ

 「単品」「多品」とは、

  • 商品数が少ないので、リピート購入の可能性が低いサイトが「単品」
  • 商品数が豊富なので、リピート購入の可能性が高いサイトが「多品」

と考えてください。

 ECサイトをこのように4つに分類すると、自社サイトでやるべきマーケティング施策が見えてきます。たとえば、ウォンツ・単品の商材を扱っている「指名買い型」のECサイトは、買いたいものが具体的ではっきりしていて、具体的な商品名や型番で検索する消費者をターゲットにしたマーケティングを展開する必要があります。

4モデルのどれかがわかったら

 表中の4モデル、指名買い型、単品リピート型、カテゴリーキラー型、モール型に、自社のECサイトで扱っている/扱おうとしている商材をあてはめてみましょう。

 たとえば、アスキー・メディアワークスが運営しているアスキーストアなら、一風変わったガジェットを扱う通販サイトなので、「モール型」といった具合ですね。

 もちろん、すべての商材がこの4モデルのどれかにきっちりあてはまるとは限らないでしょう。境界線上や境界線に近い商材の場合、近隣のモデルの特徴をミックスしたマーケティングが必要になります。

 ECサイト「4モデル」に扱っている商材をあてはめて、どのモデルのECサイトかが分かれば、次はそれぞれのモデルごとのマーケティングです。

 次回は、4モデルでは、ウォンツ単品に分類される「指名買い型」商材を扱っているECサイトのマーケティングについて紹介します。

もっと「稼げるECサイト」へ育てるために


ECサイト「4モデル式」戦略マーケティング [新版]Google Analytics経営戦略

 ECサイト「4モデル」とGoogleアナリティクスを使った、既存ECサイトの分析から、マーケティング、サイトの改善までを解説した『ECサイト「4モデル式」戦略マーケティング [新版]Google Analytics経営戦略』は、ネットショップを立て直したい経営者、通販サイトの新人担当者、EC参入を検討している企業など、ECサイトの運営に関わるすべての方におすすめできる1冊です。

 著者の権氏は、業界きっての「理論派」として知られるコンサルタント。老舗ネットショップ「近江牛.com」のリニューアルや、Yシャツ通販サイト「ozie」のリニューアルなどでその実績は高く評価されています。

※本書は、2008年9月刊行の『ECサイト4モデル式 Google Analytics経営戦略』を加筆・修正した改訂版です。


  • 著者:権 成俊、村上佐央里
  • 定価:2,499円(本体2,380円)
  • 発売日:2012年9月18日
  • 形態:A5 (240ページ)
  • ISBN:978-4-04-886951-5
  • 発行:アスキー・メディアワークス
  • 発売:角川グループパブリッシング

目次

PART1 ネットショップの経営と戦略
1-01 ネットショップの落とし穴
1-02 ネットで買う理由
1-03 変化が早いからこそ変わらない価値を
1-04 戦略とシミュレーション
1-05 これだけは忘れてはいけない「3C分析」
1-06 ネットショップの「4P」
1-07 SEMはキーワードマーケティング
1-08 アクセス対策とサイトを一致させる
1-09 組織の成長とアウトソース
1-10 Webサイト生産性のマネジメント
PART2 ECサイト4モデル式マーケティング
2-01 小さな市場だからこそ利益にこだわる
2-02 売上はリピート購入で積み上げる
2-03 インターネット消費行動モデル
2-04 サイトリピートと商品リピート
2-05 「ウォンツ」購入と「ニーズ」購入
2-06 「ニーズ」を「ウォンツ」に昇華させる
2-07 サイトリピートのための商品追加
2-08 消費行動シナリオ別ECサイト4モデル
2-09 ウォンツ単品モデル(指名買い型)
2-10 ニーズ単品モデル(単品リピート型)
2-11 ウォンツ多品モデル(カテゴリーキラー型)
2-12 ニーズ多品モデル(モール型)
PART3 アクセス解析によるサイト改善
3-01 アクセス解析でネットビジネスを"見える化"する
3-02 アクセスログとは何か?
3-03 Googleアナリティクスの基本機能と特徴
3-04 GoogleアナリティクスによるSEMの検証
3-05 「目的」を知る
3-06 「入り口」の成否を知る
3-07 「出口」の成果を知る
3-08 「閲覧範囲」を見る
3-09 「リピート性」を見る
PART4 ECサイト4モデル式アクセス解析
4-01 ECサイト4モデルの基本改善案とKPI
4-02 ウォンツ単品モデルは検索キーワードを軸にアクセス対策
4-03 ニーズ単品モデルはコンテンツ拡充でリピート率向上
4-04 ウォンツ多品モデルは平均訪問単価を指標にアクセス対策
4-05 ニーズ多品モデルはページ制作費のマネジメント
PART5 ミッションが戦略を決める
5-01 競争に生き残るためには?
5-02 事例紹介1 Yシャツ通販 ozie
5-03 事例紹介2 引き出物直送 エンジェル宅配
5-04 2度の"卓越"がオンリーワンを生む
PART6 Googleアナリティクスの設定
6-01 Googleアナリティクスの仕組みと特徴
6-02 Googleアナリティクスの利用を申し込む
6-03 トラッキングコードを設置する
6-04 プロファイル基本情報を設定する
6-05 コンバージョン確認のための設定
6-06 目標を設定する
6-07 eコマース機能を設定する
6-08 複数ドメイン、サブドメインのトラッキング
6-09 AdWordsアカウントとのリンク設定
6-10 アナリティクスとAdWordsをリンクする
6-11 AdWords以外の広告キャンペーンを確認する
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