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International CES 2013レポート 第2回

Tegra 4や携帯ゲーム機の発表で大きな話題を呼ぶNVIDIA

2013年01月07日 21時12分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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「Always-On」なHDRカメラを
実現するTegra 4

 Tegra 4が備える機能で重要なトピックとして紹介されたのが、HDR撮影に関する機能である。露出の異なる複数の写真を合成して、暗部から明るい部分まで鮮明に表現された写真を撮るHDR撮影の機能は、デジカメはもとよりスマートフォンの内蔵カメラでも、珍しい機能ではなくなっている。とはいえ、同じ被写体を何回かに分けて撮影したうえで、ソフトウェアで合成して1枚の画像を作り出すため、撮影の手間は増えるし処理時間もかかるしで、使いやすさの面では課題がある。

既存のデジカメ内蔵スマートフォンの構造(左)と、Tegra 4による「NVIDIA Computational photography Architecture」の違い。センサーやISPがCPUやGPUと同じように、NVIDIAの画像処理エンジンにつながっている

 そこでTegra 4では、「NVIDIA Computational photography Architecture」と称する構造により、イメージセンサーや画像処理プロセッサー(ISP)、CPUとGPUを連携させることで、10倍の速さかつ1度の撮影で、HDR撮影を可能にするという。NVIDIAではTegra 4により、「初の常時有効なHDRカメラ」が可能になるとしている。

既存のデジカメによるHDR撮影の流れと、Tegra 4による「One Shot」HDRの流れと処理時間の違い。1度に2パターンの露出を撮影し、それをISPやGPUが並んで処理するイメージ

常時撮影可能なHDR撮影を実現することで、可能になる撮影の数々

 NVIDIAの主張するとおりの機能が実現されれば、デジカメ写真の品質は大幅に向上するだろう。スマートフォンやタブレットに限らず、「GALAXY Camera」のような形でコンパクトデジカメにも採用されれば、面白いカメラが実現できそうだ。

Tegra 4によるHDR撮影のデモ。画面の左と右で、露出が異なる映像を同時に表示している。ここで撮影すれば、1回の撮影でそれぞれの露出の画像を取り込み、HDRの写真を生成する

NVIDIAが携帯ゲーム機を作る!?
Project SHIELDとは何物か?

オープンな携帯ゲーム機プラットフォームをうたう「Project SHIELD」

 速報記事にもあるとおり、Tegra 4を使った新しいプロジェクトとして発表された「Project SHIELD」は、5インチディスプレーを備えた携帯ゲーム機という、驚きのデバイスだった。

Project SHIELDのイメージ写真

 SHIELDは「やや大きめのゲームコントローラー」という雰囲気のボディーに、Tegra 4と内蔵バッテリー、多数のボタン類や2つのアナログスティック、そして5インチサイズのマルチタッチ対応“Retina風”720pディスプレーを備える。micro HDMI出力やmicro SDカードスロット、micro USBポートも装備している。OSは一般的なAndroid 4.1を採用し、NVIDIAではこれを「オープンな携帯ゲーム機プラットフォーム」であると称している。

SHIELDを構成する主な要素。SoCにはTegra 4を搭載し、5~10時間のゲームプレイが可能なバッテリー、ゲームコントローラー同様のボタンやスティック、各種インターフェースを備える

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