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デノンが贈る、新世代ヘッドフォン+ネット対応オーディオ 第4回

簡単Wi-Fiで使える!! 快適な音楽リスニングの決定版

ネット再生を気軽に楽しめる「Cocoon」に迫る

2013年01月11日 11時00分更新

文● 鳥居一豊

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44.1kHzまでの対応だが、24bitファイルの再生にも成功

 では、さっそくその音を聴いてみよう。まずはガチンコで、筆者のNASに保存している楽曲。いずれもWAV形式で、CDからのリッピングからハイレゾ楽曲まである。

 最初に言ってしまうと、基本的には44.1kHzまたは48kHzまでで、96kHzや192kHzなどのハイレゾ音源の再生は不可。ただし、USBメモリーで発売されたビートルズ全曲集(FLAC 44.1kHz/24ビット)は再生できた。動作保証外と思われるし、ハイビットだけの音源もあまり多くはないが参考になれば幸いだ。

 というわけで基本的には、CDからリッピングした44.1kHz音源で試聴してみた。DSD500は鳴りっぷりの良さにまず感心した。低音もなかなか豊かで伸びもいい。高域は張りのあるカチっとした音質で音の立ち上がり/立ち下がりのレスポンスも良く、勢いのある再現だ。元気でやんちゃな音というわけではなく、力強くスピード感のある再現でかなり本格的なオーディオ機器の音と言っていい。

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Dockスピーカーと言えども、その音はかなり本格派

 その秘密は、フルデジタルオーディオ処理とクラスDデジタルアンプといったオーディオ回路の出来の良さだろう。アンプは口径100mmウーファーと40mmトゥイーターを独立して駆動するバイアンプ仕様の4chアンプで、出力は各25Wと十分。

 さらに、背面は2重パネルとすることで剛性を強化し、不要な振動による音の濁りを抑えるなど、オーディオ機器らしい数々の作り込みが行われている。

 ドナルド・フェイゲンの「サンケン・コンドズ」を聴くと、独特のボーカルがニュアンスたっぷりに再現される。リズムを刻むベースも音階まで明瞭に再現されるし、量感もちょうどいいバランスで音に厚みが出る。ただし、コーラスとボーカルがやや混ざってしまうなど、ディテールの描写はややソフト。そのぶん、カチっとした音ながら高域がキツくなるようなこともないので、上手いチューニングだとも感じる。

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 クラシックは、ホルスト/組曲「惑星」から「木星」を聴いたが、トランペットのキレ味のよい音の伸びや、ホルンのたっぷりとした響きまで、忠実感のある音色で再現。コントラバスによる低音弦の響きも弛まず、安定感のある雄大な音だ。

 強いて言うならば、左右の広がりが物足りないが、これは一体型のスピーカーだけに仕方のないところだろう。Dockスピーカーとは思えないHi-Fiを楽しめる音だ。

 ちなみに、電気楽器や打ち込み音源を多用した楽曲も聴いてみたが、スピード感や雰囲気はしっかりと出るものの、アコースティック楽器の演奏の方がニュアンスが豊かに感じられ、相性は良いと感じる。このあたりもHiFi指向と言えそうだ。

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