風通しのいい環境を目指す芦澤流「三自の精神」
キヤノンシステムアンドサポートは、知的体育会系集団を目指しているという。
芦澤社長がいう知的体育会系集団とは、社員自らが知恵を使いながら、能動的に行動し、提案を行う営業、サポートチームのことを指す。
キヤノンでは、自発、自治、自覚の「三自の精神」を社是にしており、「知的体育会系集団」は、この社是を芦澤社長流に言い換えたものともいえよう。
「箱根駅伝でも、サッカーでも、頭を使わないと勝てない。ビジネスソリューション事業もそれは同じ。社員自らが考えて行動する文化を植え付けたい」とする。
その文化の醸成のために、明るく仕事ができる風土を作り上げたいという。その一環として、UltrabookとiPhoneをすべての営業社員、サポート社員に配布し、社員の知的創造や業務の効率化を支援する体制づくりにも余念がない。
「明るい空気がないと知恵は出てこない。キヤノンシステムアンドサポートは、そうした自由闊達な風土づくりを目指している。なでしこジャパンは、佐々木則夫監督のもと、いいコミュニケーションが生まれ、ときには駄洒落で場を和ましている。支店長クラスには、佐々木監督を見習ってほしい。また、なでしこジャパンのように、先輩と後輩がツーウェイコミュニケーションを取り、後輩からどんどん意見があがっていくような環境を社内に作りたい」と語る。
見習いたいなでしこジャパンの切り替え力
そして、芦澤社長がもうひとつ見習いたいとするのは、ロンドンオリンピック表彰式でのなでしこイレブンの笑顔だ。
試合終了直後の涙から一転して、笑顔の「なでしこトレイン」で入場したシーンをみて、「あの気持ちの切り替えができるからこそ、銀メダルまで行けたのだと思った。対応力の高さを感じた。そして、感動した」と語る。
選手自らが考えて行動し、知恵が創出しやすい明るい環境を作り上げているなでしこジャパンは、キヤノンシステムアンドサポートが目指す知的体育会系集団のお手本になっているともいえそうだ。
この連載の記事
-
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400憶円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの -
第578回
ビジネス
大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは? -
第577回
ビジネス
日本の強さは量子力学におけるトンネル効果があるため、量子と出会い、広げよう -
第576回
ビジネス
リコーの新しい共創拠点RICOH BIL TOKYO、富士通やKDDIともつなぎたい - この連載の一覧へ