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初歩から分かるBD活用講座 第20回

大事な思い出が劣化する前に

ビデオテープの映像をBDに保存する方法

2012年12月28日 19時00分更新

文● 二瓶 朗(グラムワークス)

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VHSからBDレコーダーへのダビング

 あとはダビング、つまりVHSデッキでビデオを再生してBDレコーダーで録画する、という作業になるのだが、VHSデッキからの番組はBDレコーダーのHDDに録画していくこととなる。そもそもBDレコーダーの機種によっては、外部入力からのBDメディアへの直接録画が不可能なことも多い。

 そして、このときの録画品質はできれば高画質なものにしておきたい。BDレコーダーのHDDにVHSの録画番組を高画質で保存しておけば、編集を行なったり、画質を調整したりしてBDメディアへ保存し直すことができるからだ。

 録画画質の設定に関しては、BDレコーダーの機種によって対応が異なる。ライン入力(アナログ)による外部入力なので、一部の機種(ソニー製BDレコーダーが中心)ではAVCモード(HD画質)に変換しながら外部入力からの録画が可能なこともあるが、一般的にはSD画質で録画されることとなる。このあたりの録画画質の設定はBDレコーダーによって異なるので、各機種のマニュアルなどを参照してほしい。といっても、過去に録画したVHSビデオの画質自体がよくなるわけではないのだから、SD画質の高品位モードで録画できれば十分だろう。

筆者が使っている東芝「DBR-Z160」では、デフォルトの録画画質を設定できるが、ライン入力からの録画の場合は強制的にVRモード(SD画質)となる

 画質についても設定が完了したら、いよいよVHSデッキ→BDレコーダーのダビング開始だ。VHSデッキで再生を開始するのと同時にBDレコーダーで「録画」ボタンを押して録画を開始する。このとき、録画時間はテープの再生時間と等しくなる。つまり120分テープならBDレコーダーでの録画に120分かかるということとなる。

 録画が完了したら、通常の番組同様BDレコーダーのHDDに番組がダビングされているはず。あとはライブラリなどから、通常の録画番組と同様にBDメディアに焼いていくこととなる。このとき編集なども自由にできる。

 ただ、BDメディアに動画を再生可能な状態で保存するには、その動画がBDAV形式である必要がある。デジタル放送はDR(TS)モードやAVCモードで録画すればBDメディアへそのまま焼くことができるが、VHSビデオからダビングされた番組は、AVCモードのようなBDAV形式に対応した動画ファイルへの変換が必要となる。そしてこの変換操作も、録画番組の長さと同じ時間が必要となるのだ。

 つまり、120分テープの内容をBDメディアにダビングして焼こうとした場合、HDDに録画する120分、変換に120分と、「テープの長さの2倍」の時間が必要となるのだ。これは心して作業する必要があるだろう。VHSのライブラリをBD化しようと考えていて、これからBDレコーダーの購入を検討しているなら、変換時間を短縮できる「外部入力の映像をAVCモードで録画できる機種」を選定しておくといいだろう。

 このようにしてビデオテープの映像をBDメディアに焼いていくと、だいたい120分のビデオテープ4本の内容をBDメディア(2層)にダビングできる。また、BDメディアに焼いておけば、数年から数十年は劣化することなく保管しておける。さらに、このダビングの途中で、いままでビデオテープに録画しっぱなしだった番組をキッチリ編集できる機会も得られる。

 もちろんいくつかの手間は必要だが、VHSテープの劣化やVHSビデオデッキの故障が心配な人は、なるべく早めにBDメディアへ保存しておくことをオススメしたい。

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