ジャストフィーリングと生産性の両立が求められる
── 回転軸に関しては、二軸あってNotebookモードではパネル側、それ以外のモードではキーボード側の軸だけが動きますよね。でもここが緩いと両方が動く状況になったり、不安定になったりするように感じますが。
レノボ 「やはりギアとギアですから上手くかみ合わないと回らないですね。ヒンジにはストッパーなども入れています。レノボはヒンジの特許をたくさん持っているんですが、インターネットで調べていただけば図面も参照できると思いますよ」
── Yogaのような動きをするノートを、僕たちはエビ反りって呼んでるんですが、十把一絡げにしてはダメで、実際にヒンジを回してみると、感触がメーカーごとにかなり違うんですよね。Yogaのヒンジは少し硬い印象です。大画面でもしっかり止められて、ひっくり返して「入る感じ」もよくできている。とてもいいフィーリングです。
レノボ 「これは本当に苦労したところですね。ただ担当したThinkPadのエンジニアのとても長い経験が生かされています。日本のヒンジメーカーとも緻密にコミュニケーションを取って、いろんな提案もしました。この機械はデザイン的にはシンプルですが、ジャストフィーリングと生産性を両立できていると思います」
── Yogaは工業製品ですから、高価になりすぎて、誰も手が届かないものを作るのでは意味が薄いでしょうから。
フィーリング良さは自動車がヒントになった
── でも180度を超えるとキーボード側のヒンジが動き始めます。この切り替えのタイミングに、ちょっとした引っ掛かり感があって、スイッチがカクンと入るようで気持ちいい。こういうフィーリングの良さがYogaの魅力のひとつだなと思ったりもします。
レノボ 「裏話になるのですが、そのヒントは自動車にあります。このヒンジをデザインしたThinkPadのエンジニアは車好きなんですよ」
── 車ですか? 車のどの部分でしょう?
レノボ 「ギアです。ギアロックの部分と考え方が一緒ですね」
── ということは、カクンと入る感触は意図的にやったものなんですか!!
レノボ 「ええ意図的です。意図的にやらないとできません」
── 一見すると普通のノートPCとほとんど変わらないのに、ディスプレーがそのまま後方に回るから、みんな驚く。そして回すと気持ちがいい。使い始めた当初は編集部でもみんなが動かして楽しんでいました(笑)。