デジタル機器の利用動向で知られるコムスコアの調査によると、2011年12月時点の日本における携帯電話に占めるスマートフォンの割合は16.6%でしたが、2012年6月には23.5%になり、半年で約7ポイントも増加しました。「まだ4人に1人の割合じゃないか」と思う方もおられるでしょう。
しかし、有名な「キャズム理論」によれば、普及率がイノベーターとアーリーアダプターを合わせて16%を超えると、一般大衆が技術を受け入れます。2012年12月時点の普及率はまだわかりませんが、すでに半分を超えていてもおかしくありません。スマートフォン未対応の企業サイトは、「時代遅れ」といっても過言ではないのです。
日本のスマートフォンサイトの問題点
すでにスマートフォン対応を済ませた日本の企業サイトは「マーケットに素早く対応して流石だ!是非、お手本として見習おう」といえるでしょうか? 先行してスマートフォンに対応したアメリカ企業のサイトと、日本のスマートフォンサイトの現状をパフォーマンス(表示速度)の観点から比べてみましょう。
サイトのパフォーマンスが売り上げに直結するスマートフォンのECサイトを比較のために取り上げます。以下は、日本のEC売上トップ20サイト(月刊ネット販売 2011年10月号、通販新聞社調べ)のうち、スマートフォンサイトのないデルとQVCを除く18社分のスマートフォンサイトの表示速度のグラフ(2012年11月18日〜12月15日の4週間分)です。上のグラフがトップページの表示速度(秒数)、下のグラフが稼働率(%)を表しています。
計測条件は以下のとおりです。
- 1時間に1回の間隔で計測
- 3G回線は、NTTドコモを使用*
- 3Gの電波強度は、インジケーターで5本中3本以上が立つ環境
- 携帯機種はiPhone4(iOS5.0.1)のシミュレーター
- すべて同じ環境で計測しているが、計測時間は若干ズレが生じる
*Keynote Systemsのパフォーマンス計測サービスを利用して計測。ソフトバンクの3G回線でも計測できるが、話をシンプルにするため掲載していない
以下の表は、日本のEC売上トップ20のスマートフォンサイトの表示秒数と稼働率(平均値)をNTTドコモ3G回線を使って測定した結果です。
サイト名 | 表示秒数 | 稼働率 |
---|---|---|
Amazon | 5.783 | 100% |
フェリシモ | 7.041 | 100% |
イトーヨーカドー | 8.423 | 100% |
Sonyオンラインショップ | 10.631 | 100% |
ヨドバシカメラ | 13.085 | 99.85% |
ECカレント | 14.597 | 100% |
ジョーシン | 16.083 | 100% |
ジャパネット | 17.655 | 99.85% |
楽天 | 19.31 | 99.85% |
ユニクロ | 22.982 | 99.39% |
A-Price | 24.154 | 100% |
ZOZO Town | 24.248 | 99.54% |
セシール | 24.377 | 98.79% |
ニッセン | 26.242 | 99.55% |
ベルメゾン | 35.214 | 98.48% |
DHC | 46.631 | 98.18% |
ディノス | 52.855 | 95.45% |
PCボンバー | 77.214 | 99.53% |