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マイクロソフト・トゥディ 第26回

日本マイクロソフトがDiscover キャンペーンに取り組む意味とは?

2012年12月27日 11時00分更新

文● 大河原克行

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過去のキャンペーンから大きく変わる「Discoverセミナー」

 3回目となる今回の全国行脚は、過去のキャンペーン経験を踏まえて実施するものになる。

 ただ、これまでの2回の全国行脚とは大きく異なる部分がある。

 ひとつは、先にも触れたように、ITを取り巻く環境が大きく異なるという点だ。

 中小企業へのIT導入を図る場合、いくつかの課題がある。初期投資が大きいことや、導入したITの運用、サポートを行なう専任要員が社内にいないことなどがその代表例だ。

 日本マイクロソフトでも、かつて中小企業向けといわれたSmall Business Server(SBS)を投入するなどの動きもあったが、結局は、サーバー管理者を置かなくてはならないなど、導入、運用の敷居は高かった。これが、クラウドやWindows 8によって大きく改善できることになるというのが日本マイクロソフトの説明だ。

地域に密着し、タイムリーにセミナーを実施

 2つめは、それぞれの地域に密着することをさらに推し進めている点だ。2002年のマイクロソフトIT体験キャラバンでは大型トレーラーを活用し、また2006年のIT経営キャラバン隊では、キャラバンバスを用意し、それぞれにセミナーを実施するための什器やIT機器を積み込んで、全国を巡回した。

2002年のマイクロソフトIT体験キャラバンでは大型トレーラーを活用(写真左)。また2006年のIT経営キャラバン隊では、キャラバンバス(写真右)を用意し全国を巡回した

 一方、今回のDiscover キャンペーンでは、日本マイクロソフトの札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡の6ヵ所の支店のインフラを活用。リコージャパンや大塚商会といったパートナー主導型のセミナーを連動させることで、より地域に密着した形で展開をしていくことになる。

 物理的にトレーラーやバスを移動させる必要があった過去2回の全国行脚とは異なり、それぞれの地域でタイムリーにセミナーを実施できるのが今回の特色だ。実際にクルマを走らせることがないため、環境にも優しいといえる。

日本全国で、半年間の集中実施

 3つめは、半年間の集中型としている点だ。

 マイクロソフトIT体験キャラバンでは、1年2ヵ月にわたり、178市町村で216回のセミナーを開催し、2万1519人が参加。走行距離は、地球一周相当にあたる4万1361Km。また、IT経営キャラバン隊では、1年4ヵ月をかけては、全国120ヵ所を訪問し、2万2032人が参加。キャラバンバスの全走行距離は地球の約1週半にあたる約6万kmに達した。

 かつての全国行脚では、1年以上かかって開催していたが、今回はほぼ同等回数のセミナーを半年間で実施するというわけだ。全国規模で一気に導入機運を高めることにもつながるといった効果が見込めるだろう。

オンラインセミナー用に、短時間のセッションを複数提供

 そして、4つめにはオンラインセミナーを活用するという点である。

 オンラインセミナーは、簡単な登録だけで、いつでもどこでもオンライン上でセミナーに参加できることから、中堅・中小企業の経営者などが空いた時間に受講できるのが特徴だ。日本マイクロソフトでは、オンラインセミナー用に、短時間のセッションを複数提供することで、参加促進を図る考えだ。

 これも中堅・中小企業にオンライン環境が整っているということを前提にした取り組みだといっていい。今回のDiscover キャンペーンでは、これを強力に前面に打ち出していく考えだ。

万全の体制でセミナーをスタート

 実は、Discover キャンペーンは、2012年12月10日に、仙台での開催が予定されていた。

 しかし、12月7日夕刻に発生した三陸沖を震源とする地震の影響によって、これを2013年1月18日に延期した経緯がある。

 同時に、12月中に開催予定となっていた岩手県盛岡市、青森県青森市でのセミナー開催も2月以降に延期した。

 一方で、1月には当初の予定通り、1月21日に長野県松本市、23日に新潟県新潟市、25日に福島県郡山市、28日には石川県金沢市でそれぞれセミナーを開催する予定だ。

 仙台での開催延期は、日本マイクロソフトが、万全の体制でこのセミナーをスタートしたいという姿勢の表れだといえよう。仙台にある日本マイクロソフトの東北支店では、中堅・中小企業へのアプローチに重要な役割を果たす、パートナーとのジョイントセールスにおいて、多くの成功事例がある。その点でも、ここを皮切りにDiscover キャンペーンをスタートすることには大きな意味があるのだ。

 いよいよスタートする3回目の全国行脚は、これまでのスタイルとは形を変える部分がいくつもある。果たして、この半年間でどんな成果を生むのだろうか。


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