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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第183回

新製品が出るのは2014年!? AMDチップセットのロードマップ

2012年12月24日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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 前回掲載したインテルのチップセットロードマップは、半年ぶりの更新であった。だが、それ以上に放置されていたのがAMDのチップセットだ。デスクトップ向けチップセットを以前に紹介したのは、2010年3月の連載44回だから、もう2年近く更新されなかったことになる。もっとも、2年放置しても製品ラインナップがほとんど増えなかったことの方が問題なのだが……。

使い回しや小変更に止まったAMD 8~9世代

2010~2014年のAMDチップセットロードマップ

 ほぼ2年以上前の2010年3月に、AMDは「AMD 8」シリーズ最初の製品として、「AMD 890GX」を投入した。そこからやや遅れて2010年4月には、「Phenom II X6」とあわせて、「AMD 890FX」「AMD 880G」「AMD 870」の3製品も発表された(関連記事)。

 880Gは890GXの機能削減版で、搭載されるGPUが「Radeon HD 4250」になっている。GPU名のナンバーが、890GXに内蔵される「Radeon HD 4290」と大きく数字が変わらないことからもわかるとおり、コアの構成は変えずに動作周波数だけ落とした(700MHzから560MHzに)程度である。ちなみにこの880Gは、890GX同様にTSMCの55nmプロセスで製造されていた。

 対してAMD 890FXと、これの下位製品であるAMD 870は、同じTSMCの65nmプロセスの製造され、実は前世代である「AMD 790FX」と中身は大きくは変わらない。AMD 870はPCI Express x16レーンを1組にしてデュアルGPUのサポートを外したもので、こちらも前世代に当たる「AMD 770」からあまり変わっていない。これらは基本的に、新CPUのサポートのために登場したチップセットにすぎないわけだ。チップ間接続はHyper Transport Linkのままなので、ようするにBIOSの対応や検証などが、主要な違いということになる。

 翌2011年5月末に、AMDは「AMD 9」シリーズチップセット3製品を発表した(関連記事2)。これらの主要な違いは、「Socket AM3+」への対応で、これにより「Bulldozer」コアベースの「AMD FX」シリーズが利用できるようになったほか、「IOMMU」(I/O用メモリ管理ユニット)が搭載されるようになっている。

 細かくラインナップを見ると、トップエンドの「AMD 990FX」は、構成面でほぼ890FXと変わらない。続く「AMD 990Xは、990FXからPCI Express x16レーンを1本無効化した製品だ。AMD 8シリーズにはこれに相当する製品がないのだが、AMD 7シリーズにあった「AMD 790X」にほぼ等しいと考えていい。ローエンドの「AMD 970」は、デュアルGPU構成が利用できなくなっているのが主な違いである。

 AMD 9シリーズの特徴的な機能としては、「IOMMU 1.2」への対応が挙げられる。これを使えば、仮想OSを動かす環境で仮想化支援機能「AMD-V」を利用する場合に、ハードウェアによる仮想化支援が利用できるようになる。とはいえ、一般的なPCユーザーが恩恵を受けることはまずないだろう。

 990FXや990X、970は、いずれもTSMCの65nmプロセスにより製造された。サウスブリッジ側の「SB950」や、表にはないが低価格版である「SB920」も、同じくTSMCの65nmプロセスによる製造である。つまり基本的には、790世代の構成をそのままに、いくつかの拡張を施したものがAMD 9シリーズチップセットと考えてよさそうだ。

 やや複雑なのはCPUとの対応である。AMD 8/9シリーズはいずれもSocket AM3に対応しているから、ユーザーが持っている「Phenom II」や「Athlon II」といったCPUは当然そのまま利用できる。また、AMD 870を除く全チップセットがSocket AM3+にも対応しているので、AMD FXも利用できるはずだ。

 実のところ、技術的にSocket AM3とSocket AM3+は同じようなもので、HyperTransport Linkの速度※1以外はほぼ同じ規格(あとは電源供給周りだけ)だから、実はAMD 870でもAMD FXを利用できるはずだ。AMD 870がこれをサポートしていないのは、「検証の手間を省いただけ」という可能性が高い。
※1 Phenom IIなどは最大2.6GHz、AMD FXは最大3.2GHz。

 強いて言えば、AMD 870搭載のマザーボードは当然バリュー向け製品になるから、電源供給まわりでやや不安が残るのでサポートから外した可能性もあり、おそらくはその程度の理由であろう。逆に890FXや890GX、880Gなどは、当初はSocket AM3+への対応をうたっていなかった。それが後追いで追加されたのは、検証したからという理由と思われる。

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