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痛車でラリー! メロンインテ3年目は頂点への戦い 第10回

メロン号、全日本ラリーのクラスチャンピオンの栄冠に!

2012年12月22日 16時00分更新

文● 中村信博 ●撮影/中島正義、うえのふみお

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王座がもう手の届く距離まできた!

 この日の勝負どころ「雁峰西」ステージの1本目。CUSCO 86が何らかの理由から大きく遅れ、ベストタイムを奪ったメロン号との差がさらに33.1秒へと広がった! この時点でクルーは作戦をアタックからセーフティーへと切り替えたらしい。続くSS7、8をともに2番時計でまとめ、今イベント最後のサービスDへと帰ってきた。

 逆転チャンピオンへと王手をかけたメロン号。しかし、眞貝選手の顔色はさえない。目前にせまったチャンピオン奪取へのプレッシャーもそうだが、何よりマシンの状態がここにきてふたたび悪化しはじめたのだ。

 しかし、残るSSはわずか3本。あとたったの3本で、4年ぶりのドライバーチャンピオンに手が届く。ここまできたら無事に最後まで走りきり、頂点に立つ瞬間を我々に見せてくれ!

最終セクションへと旅立つメロン号

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS9/Gampo West II
(7.51km)
7:04.9(+1.6)59:40.3(+14.3)
SS10/Tsukude II
(3.81km)
2:24.6(+3.3)1:02:04.9(+16.6)
SS11/Houraisen-Short II
(2.48km)
2:18.0(+7.0)1:04:22.9(+22.8)

SS9 Gampo West II

SS10 Tsukude II

眞貝選手 「SS6で三好選手にトラブルがあったようで、タイム差は一気に安全圏ともいえる30秒ほどに。もうこうなると、つまらないミスや車両の破損でリタイヤするわけには絶対に行きません。SS9、10、11は、ひょっとしたら自分のラリー人生でも初めてかな? と思えるほど、「完全なビビりでまったく攻められないモード」で処理したステージです。情けないヒヨヒヨの運転をどうぞご覧ください(笑)」

SS11 ギャラリーステージ

オフィシャルの無線に聞き耳を立てて、状況を見極めようとする筆者。無事にゴールを踏むまでまったく安心はできない

今シーズン最後のステージとなるSS11に、各マシンが続々と到着。ここまで来たらゴールはもう目前だ。全車、無事にゴールへと帰って来い!

 さかのぼること約3年前、2009年の冬。JN-3クラス参戦への切り札として眞貝選手の起用を決定したとき、彼の師匠でありニューマシンを製作していたシロキヤレーシングサービス(SRS)の金子敏邦氏が、筆者に言った。

「眞貝選手と契約するのなら、3年間じっくりと見てやって欲しい。今から3年後、必ずやシリーズチャンピオンを獲ってみせる」

 そして、今年は約束の3年目。前半戦は厳しい戦いが続いたMRCだったが、夏場から始まる後半戦での巻き返しに成功。ついに、夢にまで見たその瞬間が訪れる。

長い長い戦いを終え、ついにメロン号が頂点に立つ。多くのサポーターやオフィシャル、それにファンがメロン号に駆け寄り、2人のクルーとガッチリ握手を交わしていた

 メロンブックスラリーチャレンジ、2008年以来2度目のドライバーズチャンピオン獲得! キャラクターチームとしては史上初の、日本最高峰モータースポーツシリーズ2度目の栄冠達成だ!! ヤッッッタアアアァァァ────!!!

メロンブックスインテグラ、「新城ラリー2012」を2位でフィニッシュし、2012年全日本ラリー選手権JN-3クラスドライバーズチャンピオンを獲得。苦しかった戦いを終え、眞貝選手の顔にもようやく笑顔が

「新城ラリー2012」JN-3クラス優勝は久與レビン。4本すべてに細いタイヤを装着するという奇策により、ローパワーなマシンを圧倒的スピードでフィニッシュさせた

最後の最後まで我々を苦しめてくれたCUSCO 86はクラス3位でフィニッシュして、シリーズでは2位をゲット。よくぞ世に出たばかりのマシンをここまで仕上げたものだと思う

「ラリー北海道」では全滅の憂き目にあったCUSCOジュニアラリーチームの高崎くす子サトリアだったが、今回はクラス8位で完走。来年はきっと強力な布陣でわれわれの前に立ちふさがるはずだ

表彰式では1979年WRCチャンピオンのビョルン・ワルデガルド氏とモリゾウ選手が挨拶。人生初のラリーを8位で完走したモリゾウ選手、「次にやるとしても、このラリーです。自分の実力に合わせてね」とうれしそうに語っていた

総合優勝はLUCKインプレッサを駆った勝田範彦選手/足立さやか選手組。これにより同クルーが2012年度JN-4クラスシリーズチャンピオンに輝いた

JN-3クラス表彰。「女の子が見えない!」の声に、全員がひざまづいて撮影。まるで反省しているように見えなくもない(笑)

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