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痛車でラリー! メロンインテ3年目は頂点への戦い 第10回

メロン号、全日本ラリーのクラスチャンピオンの栄冠に!

2012年12月22日 16時00分更新

文● 中村信博 ●撮影/中島正義、うえのふみお

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いきなりピンチに追い込まれるメロン号だが……

 セクション1の3本のステージを終えて、メロン号は今回のイベント最初のサービスAへと帰還。眞貝選手によると、思ったとおりブレーキに問題があり全開でアタックできないという。コーナーで適切なブレーキングができないと、狙った走行ラインにマシンを乗せることができないため、トップスピードでアタックすると危ない場面も出てくるのだ。

 そこでメカニック隊は眞貝選手からの希望を受けて、ちょっとの操作でもリヤが滑り出すオーバーステアなセッティングへと変更。マシンが不安定になるため危険な賭けだが、何もやらないよりはマシだ。さらに岩の直撃を受けた燃料タンクの穴を、石けんと紙粘土を練り合わせた特製のパテで埋めて補修する。その場にあるものを駆使して最大限の修理をやってのける、これこそラリーメカニックに必要な能力なのだ。

メロン号、いきなりのピンチ! わずかなサービスタイム、メカニック隊の全力の修復作業が続く

 そして、チャンピオンの座を争うライバルたちにも苦難が待ち受けていた。まずSS2にて、ポイントランキング1位のBOOBOWブーンがサスペンションを大きく破損しリタイヤ。こうしてチャンピオンレースはメロン号とCUSCO 86に絞られることになったが、メロン号は前述の通りブレーキに不安を抱え、CUSCO 86も超低速のテクニカルステージに苦労しているようだ。

 2位のCUSCO 86と3位のメロン号の差は、約10秒。追撃するこちらも必死なら、守るあちらも必死だ。チャンピオンを獲るには、お互いライバルより上でフィニッシュしなければならない。イベント序盤にして、いきなりの死闘が始まった!

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS4/Gampo Long
(19.66km)
17:54.4(TOP)37:25.0(+14.3)
SS5/Houraisen-Reverse II
(4.23km)
3:39.2(TOP)41:04.2(+10.8)

SS4 Gampo Long

眞貝選手 「今回のラリーの最長ステージSS4。泣いても笑っても、今シーズンの戦いのすべてがここで決まるような気がしていました。サービスでのスタッフの奮闘に感謝し、そしてセットアップの変更が当たっていることを信じてスタート。ブレーキの感触はずいぶんと改善されているようだし、セットアップの変更は明確に当たっているような感触でした。それでも不安が残る中、この状況下で私が出来ることの最善を尽くしたつもりです。フィニッシュ後、速報でこの結果を聞いたときは思わず雄叫びをあげてしまいましたね(笑)」

 セクション2、今イベント最長となる19kmのSS4で、2番手以下を約10秒引き離すスーパーベスト! CUSCO 86はこのステージでメロン号から約16秒遅れた3番時計となり、この時点でメロン号がCUSCO 86を逆転して2位に浮上した。つづくSS5でもメロン号はベストタイムを獲得したが、2.1秒後方の2番手にはCUSCO 86が入り、いまだに逆転圏内に駒を進めている。どちらも一歩も引かない、限界バトルがつづく。

なんとかライバルの上に立ってサービスへと帰還したメロン号。メカニック隊の必死の作業を、傍らから眞貝選手が見守っていた

 デイ1最終のサービスBへと帰還したメロン号、どうやらセッティングの大幅な変更は功を奏したらしい。補修した燃料タンクからもガソリン漏れは認められず、まずは1日目を無事に走り終えることができた。翌日の6本のステージにむけて、このサービスで最大限のメンテナンスをほどこす。

一方、CUSCOワークスではメロン号のライバルCUSCO 86が整備中。同じスペースでメンテを受けるCJRTくす子サトリア(鈴木尚選手/山岸典将選手組)は、この時点で43:56.7のJN-3クラス9番手を走行中だ

 デイ2はテクニカルな低速ステージから、トップスピード180km/hを記録する高速ステージまで様々なシチュエーションが待っている。CUSCO 86の反撃をおさえ込むため、デイ2の6本のステージで何としても踏みとどまらなければ!

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