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「タイムマシン」ビジネスで、まずはインドネシア市場を狙う

眠る携帯コンテンツを東南アジアで蘇らせるグロザス

2012年12月22日 09時00分更新

文● 大河原克行

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コンテンツによって異なる支援

――具体的にはどんな支援をしますか。

津田 現在、スターマークとグリオの2社と協業をしています。それを例に説明しましょう。

 スターマークの場合は、日本で展開していた占いコンテンツの「きょうや式星座別攻略法」の基本的なロジック部分を活用しなから、Facebookアプリとしてインドネシア市場に提供しています。インドネシアのユーザーの嗜好に合わせて、インドネシア人に親しまれているフルーツ12種類を12星座に見立てた、いわば、くだもの占いの形に変更したもので、アプリケーション名も「Star Reader(スターリーダー)」とし、インドネシアの10代、20代の女性をターゲットに、現地で受け入れられるように大きく仕様を変更した事例です。

 一方、グリオの場合は、Android携帯向けの着信音アプリ「Nada Dering(ナダ・ドゥリン)」を提供していますが、これは日本で提供していた「着信音パラダイス」をインドネシア市場向けに提供するものになります。ここでは、コンテンツとなる「音」そのものに関しては、日本で開発したものをそのまま使用しています。着音の一部では、日本語が使われている部分がありますが、それもそのまま使用しています。ただし、アプリの説明部分などはインドネシア語にし、文化や生活習慣にあわせて問題がないかといった部分についても検証を行っています。

 社内では5つのレベルに分類しているのですが、グリオの場合は、説明部分のローカライズが中心になりますから、グロザスの支援は最も簡易なものだといえます。コンテンツによって、言語設定だけでいいのか、あるいは、ユーザー接点の改良や、文化や商習慣への対応、固有の市場ニーズへの対応といった点まで踏み込む必要があるのかといった点が異なりますから、そのレベルにあわせて、コンテンツプロバイダーに提案していくことになります。

――App Storeでは、報酬の30%をアップルが得るという仕組みですが、グロザスの仕組みにおいて、コンテンツプロバイダーが得る報酬はどうなっていますか。

津田 翻訳などを含めた現地化の作業に関しては、まずはグロザスの持ち出しで行います。ですから、コンテンツプロバイダーは、費用を一切掛けずに海外展開ができる。そこで、売れたものから、グロザスは先行投資分を回収させてもらうことになります。収益の半分以上をグロザスが得るという仕組みです。コンテンツプロバイダーは、初期投資をすることなく、死蔵しているコンテンツを海外で活性化させることできる。これによって、日本のデジタルコンテンツの輸出を促進することもできると考えています。

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