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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第182回

インテルの8シリーズチップセットとSATA Expressの行方

2012年12月17日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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Intel 8シリーズは4月以降登場
スケジュールはHaswell次第

2011~2013年のインテルチップセットロードマップ

 次は2013年以降の話である。実はここもおおむね152回から動きはない。「Haswell」のパッケージが「LGA1150」に変わるのにあわせて、チップセットも「Intel 8」シリーズに刷新される見込みだ。CPUとチップセット間が、DMI 2.0で接続されるのは相変わらずなので、検証の問題を別にするなら、Haswellは理論上では既存のIntel 7シリーズチップセットでも動く可能性が高い。実際に7シリーズチップセットを搭載した、LGA1150対応の変態マザーボードを出すメーカーもありそうではあるが、あくまで例外だろう。

 製品構成はやはり変わらず、トップエンドは「Intel Z87」で、そのサブセットとして「Intel Z85」と「Intel H87」がそれぞれ用意される。これらと、ビジネス向けローエンドの「Intel B85」が、2013年4月に出荷予定というのが現時点でのスケジュールだ。しかしこのスケジュールは、最終的にHaswellがいつ出荷されるかにかかっている。これらに続いて、2013年6月くらいにビジネス向けの「Intel Q87」「Intel Q85」がリリースされるだろう。

 152回では考慮していなかったが、Intel 8シリーズでの変動要素として、「SATA Express」の存在がある。Intel 8シリーズチップセットでは、製造プロセスが65nmから32nmに変更されるため、高速なインターフェースを作りやすくなった。Intel 7シリーズの場合は、「頑張って」2ポートだけ6Gbps対応にしたが、今度は無理なく全ポートを6Gbps対応にできる。これはSSDの普及が進み価格も下がってきたことで、SSDの複数接続も珍しくない昨今ではありがたい話である。問題は6Gbpsでも、そろそろ限界が見えてきたことである。

 最近のSSDの場合、安い製品でも200~300MB/秒、高速な製品だと500MB/秒以上のアクセス性能を持つものが珍しくない。SATA 6Gbpsは理論上の帯域が600MB/秒。実際には550~560MB/秒あたりが実効性能の限界だから、つまるところSATA 6Gbpsの帯域は飽和しつつある。では「次は12Gbpsか?」という話になるわけで、SATAとコネクターや物理層を共用するサーバー向け規格「SAS」(Serial Attached SCSI)は、12Gbpsに移行を始めている。

 一方SATAはというと、従来の接続方法に代えて、「SATA Express」という規格を策定することにした。背景にあるのは、6Gbpsまではそれほどコストをかけずに実現できたが、12Gbpsは恐ろしく高コストになるという理由である。サーバー向けの場合は、多少コストがかかっても問題ない市場である。SASベースの製品は、SATAベースの製品に比べて割高になっているが、問題なく広く利用されている。

 ところがSATAはコンシューマー向けのPCに使われるため、コストに非常に敏感である。なんでも12Gbpsを実現しようとすると、まずコントローラーの値段が従来の倍以上になる。コネクターはともかくケーブルに関しては、既存のもののままでは難しく、12Gbps対応のものに交換が必要になるそうだ。これではPC向けにはフィットしない、と判断された。

 コスト面で問題のあるSASの代わりに、SATAの標準化を行なっている組織「SATA-IO」(The Serial ATA International Organization)が策定しつつある新規格が、SATA Expressである。ようするに「PCI Expressの配線をそのまま使ってSSDをつなごう」というものだ。イメージ的には、PCI Express接続のSSD RAIDカード(関連記事)を想像するかもしれないが、こうしたPCIeのSSD RAIDは図1のような構成になっている。つまりRAIDコントローラーがPCI ExpressとSATAを変換している。

図1 PCI Express接続のSSD RAIDカードの一般的な構成

 対してSATA Expressでは、図2のようにSSDがPCI Expressレーンに直結される。

図2 SATA Expressの構成例

 SATAは6Gbps(600MB/秒)で頭打ちとなるので、代わりにPCI Expressのレーンを使ってSATAの信号を送ろうという仕組みだ。このSATA ExpressはPCI Express 1/2/3世代に対応し、x1レーンもしくはx2レーンを利用する構造だ。そのため帯域は以下のようになる。

PCI Express x1 x2
1.x 250MB/秒 500MB/秒
2.x 500MB/秒 1GB/秒
3.x 1GB/秒 2GB/秒

 今はまだ仕様策定中なので実装はされていないが、将来はPCI Express 4.0にも対応予定で、こうなるとx1レーンでも2GB/秒、x2レーンならば4GB/秒が狙える。現実問題としては、2.0のx2レーン構成ならば1GB/秒の帯域となり、現在のSATA 6Gbpsのほぼ倍の帯域が利用できる。これで足りなければ3.0/4.0に切り替えてゆくことで帯域が倍々で増えてゆくから、問題ないだろうという判断だ。

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