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ハイエンドからミッドレンジまで単一アーキテクチャでカバー

外様から出世したHP 3PARがプライマリストレージの主力へ

2012年12月14日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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ミッドレンジで300万台からのモデルが登場

 優れた仮想化機能を持つHP 3PARだが、これまではハイエンド向けに展開されており、価格が高いのが難点だった。これに対して、今回はミッドレンジのラインナップ「HP 3PAR StoreServ 7000」シリーズを投入し、ハイエンドだけではなく、ミッドレンジまでカバーすることになった。福岡氏は、「今後すべての企業に対し、プライマリストレージとしてHP 3PARを提案する」と断言し、この戦略をもって、3年後にシェア20%を目指すとした。Data ONTAPによる単一アーキテクチャでハイエンドからエントリ向けまでカバーするネットアップ型の戦略に変更し、HP 3PARでプライマリストレージのあらゆるニーズに対応する方針を鮮明にした。

 HP 3PAR StoreServ 7000はハイエンドのHP 3PAR StoreServ 10000と同じOSを用いており、複数のユーザーで安全に共用するマルチテナント、3PARの十八番とも呼べるシンプロビジョニングなどの容量効率化自律最適化などの機能をすべて搭載する。特に異なる3PAR間でリソースプールを連携できる「フェデレーション」はユニークで、機能強化により、サイト間フェイルオーバーと既存3PAR・EVAからのオンライン移行をサポートしたという。

HP 3PAR StoreServ 7000の機能

HP 3PAR独自のフェデレーション機能

 価格は最大2ノード/2プロセッサー/144ディスク搭載の「HP 3PAR StoreServ 7200」が339万9000円~。最大4ノード/4プロセッサー/480ディスクの「HP 3PAR StoreServ 7400」が505万500円と、従来よりも低廉な値付けになっている。

会場で展示されたHP 3PAR StoreServ 7200

 杉原氏は、3PARをプライマリストレージの主力製品として位置づけたことについて、「複数ユーザーのマルチテナンシや瞬時にプロビジョニングできる点が大企業の用途でも必要になってきた。特に、この2~3年でサーバーの仮想化は相当こなれてきたので、プロビジョニング機能は重要。そして、こうしたお客様は2年くらいでI/Oがバーストする」と述べ、ストレージの世代交代が背景にあると説明。「サービスプロバイダーを中心にした導入で、二桁成長している3PARをエンタープライズや中小規模でも展開していける」と意気込みを語った。

 市場からの評価の高いHP 3PARがHP Storageの主力製品に据えられたことは、ミッドレンジのストレージに市場に影響をもたらすと思われる。クラウド時代を見据えた新世代ストレージへの世代交代を進めたHPの決断には、ストレージ市場のシェア獲得に向けた意気込みが感じられる。

初出時、「今後3年間で20%強の売り上げ増を目指す」と記載しましたが、「3年後にシェア20%を目指す」の誤りでした。お詫びし、訂正いたします。本文は訂正済みです。(2012年12月14日)

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