12月18日、シャープは手書きでノートをとれる「電子ノート」<WG-N10>(以下、WG-N10)を発表した。シャープ独自のメモリ液晶を採用することで最大1000ページのメモをとることができ、約30日間という電池の持ちを実現した。
アナログとデジタルのいいとこどりを実現
WG-N10はモノクロ液晶を搭載した手帳サイズの端末で、付属のスタイラスペンで気軽に手書きメモを行なえる。書いたメモはPCに取り込み、画像として保存することができる。
市場調査によるとスマートフォンやタブレット全盛期とも言える昨今においても、紙の手帳やノートの市場は成長を続けており、未だに根強いニーズがあるという。一方で、紙の手帳やノートは持ち歩きや整理が大変、書いた箇所を探すのが手間、紛失の可能性があるといったデメリットがある。こうした背景から生まれたWG-N10は、サッと取り出し、スラスラ書ける手書きのよさと、最大100冊のノートを持ち運び、簡単に探せるデジタルのよさを融合。テキスト認識やPDFビューア、ソフトキーボードによるテキスト入力など、スマートフォンやタブレットで実現できる機能は一切削り、シンプルな端末に仕上げた。
端末のサイズは111(W)×155(D)×9.9(H)mmとA6の手帳と同サイズで、専用カバーで包まれた様はまさに普通の手帳。外面には電源ボタン以外なく、インターフェイスもPC連携のmicroUSBポートのみ。最近の電子書籍リーダーよりも、さらにシンプルさを追求した、きわめて潔いハードウェアといえる。重さも本体が210g、専用カバーとスタイラスペンを合わせても約315gと軽量だ。
液晶は600×800ドットの6型メモリ液晶を採用し、省電力を追求。1日2時間使用(40分書き込み、80分表示)の場合、約30日間という電池の持ちを実現した。手のひらが画面に触れても反応しにくいという特徴も持っている。
ペンとマーカーにそれぞれ消しゴム
機能面も充実している。筆記用具としてペンとマーカーが用意され、それぞれに消しゴムが付いている。そのため、マーカー消しゴムで添削だけを後から消すといった操作が可能だ。ノートフォームも無地、方眼、縦罫、TODOなど9種類から選択できるほか、PCで作ったオリジナルリフィルを追加することも可能。シャープでもオリジナルリフィルを無料配信する予定だという。
また、書き込んだデータは画像ファイル(BMP)でUSBケーブルでPCに取り込める。デジタルならではの分類機能も備わっており、作成した日付でカレンダーから調べたり、10種類の分類で仕分けることができる。テキスト入力機能を持たないので、分類のフォルダの名前も手書き文字で登録する。
発売は2013年1月の予定。価格はオープンで、市場想定価格は1万5000円を予定している。