暴動にまで発展した反日デモから3ヵ月。尖閣問題に関する中国国内での関心は薄まってきているようだ。
Googleトレンドの百度版にあたる「百度指数」で「釣魚島」(尖閣諸島)をキーに検索してみると、尖閣問題に関する検索数は反日デモ前の状態にまで戻っている。
ただし、同時に日本を代表する企業の検索数や、中国で最も人気の日本アニメ「NARUTO」、AV女優の枠を超えた人気の「蒼井そら」の検索数も尖閣問題が起きてから減少しているので、人々の中で反日から親日へと針が戻ったというわけではないようだ。
尖閣問題グッズは盛況
中国の人々の中で尖閣問題が頭の隅に置かれる中で、尖閣問題をネタにしたビジネスが次々と登場している。中国庶民にとって一番目につくところだと、「尖閣は中国のもの」グッズだろうか。
中国では話題になったモノやコトが勝手に非公認で商品化されがちだ。
中国でのスマートフォン普及の立役者となったゲーム「Angry Birds」は、その人気ゆえに開発元のRobio非公認のグッズが多数登場し、「鳥をパチンコのように飛ばして豚を倒す」というAngry Birdsをそのままリアルに再現した非公認テーマパークも登場した。
SNSがブレイクしたのは農園系ゲームのおかげだが、農園系ゲームのブームとともに非公認の野菜飼育セットが販売され、また他人の野菜を盗るというゲーム内容をリアルに実践し、ゲーム感覚で畑泥棒を行なう輩も出てきた。
また中国版エコポイント「家電下郷」や「以旧換新」という政策が政府から発表されれば、メーカーやショップは政府非公認のままこれら政策名をつけた販売キャンペーンを行なった。
新興国を紹介するブログ「KINBRICKS NOW」によれば、河北省槍州市献県の税務署が尖閣問題による戦争の支援を名目に予定外の納税をお願いするという話も出てきた(「そろそろ日本と戦争するので税金を払ってください」中国の過剰徴税最前線より)。
尖閣グッズもそのノリと変わらない。中国最大のオンラインショッピングサイト「淘宝網」(TAOBAO)では、さまざまな「尖閣は中国のもの」グッズが売られたが、その中でもステッカーはよく売れたようで、実際町中でもそのステッカーを貼った車をしばしば見かけた。
その一方で「尖閣は中国」と訴えるシャツが安価で売り出され、多くの人が購入ボタンを押して送金したものの、金だけとって夜逃げする同胞泣かせの業者も現れ話題になった。
こうした中で、尖閣を題材にしたゲームも登場した。B級臭漂うゲームを次ページで紹介していこう。
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