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デル買収後初めての発表会で見せたクラウドとの親密度

シンクライアントの老舗ワイズが魅せたソフトウェアの強み

2012年12月07日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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12月6日、シンクライアント製品を手がけるワイズテクノロジーは、事業戦略と新製品の発表会を開催した。デルによる買収以降、初めて行なわれた今回の発表会において、クラウドコンピューティング時代のシンクライアントの役割や技術が披露された。

クラウドを中心としたエンドポイントの在り方

 ワイズテクノロジー(以下、ワイズ)はシンクライアント端末を手がける老舗ベンダーで、昨今はVMwareやCitrixなどのクライアントハイパーバイザーに対応した「ゼロクライアント」と呼ばれる製品を積極的に投入している。2012年5月にデルに買収され、現在「Dell Wyse」のブランドで製品を提供している。

 発表会において米Dell Wyse マーケティングおよび戦略最高責任者件顧客対応責任者 ジェフ・マクノート氏は、クラウドの台頭により、エンドポイントの利用形態がクラウドを中心とした「クラウド・クライアント・コンピューティング」へと大きく変化していると説明。こうした中、クライアントの分野ではセキュリティや管理性、信頼性、可用性、TCO、スケーラビリティなどさまざまな課題が顕在化していると指摘した。

米Dell Wyse マーケティングおよび戦略最高責任者件顧客対応責任者 ジェフ・マクノート氏

 これに対し、ワイズは単に端末を提供するだけではなく、これらの課題に対応するソフトウェアを提供しており、これが競合との大きな差別化要因になっていると説明した。「弊社がソフトウェア中心の会社だというと皆さん驚かれると思うが、我が社のエンジニアの95%がソフトウェアのエンジニアだ」(マクノート氏)と、開発体制の充実ぶりをアピールした。

 こうしたソフトウェアの成果物としては、マクノート氏はリモートアクセスやコンテンツ管理を実現するモバイル向けアプリケーション「PocketCloud」のほか、SaaS型のデバイス管理ソリューション「Cloud Client Manager」などを挙げた。なお、Cloud Client Managerは米国では発表済みで、国内では来年初から提供される予定だ。

 そして、今回は新たにシトリックス互換のゼロクライアント「Wyse Xenith 2」が発表された。Xenith 2はARMベースのSoC(System on Chip)上にシトリックスと共同開発したCitrix Receiver互換クライアントを備える端末。Citrix HDX 3Dに対応することで、CAD/CAMや3D、あるいはHDマルチメディアなどを多用するアプリケーションの仮想化にも対応する。Citrix VDI-in-the-BOXの認定端末でもあり、デルのDesktop Virtualization Solution Simplified アプライアンスのクライアント端末としても利用できる。

Citrix向けのゼロクライアント「Wyse Xenith 2」

多様化する仮想デスクトップの要求

 続いて登壇したワイズテクノロジー日本法人代表 松浦淳氏は、調査会社の資料を基に、日本市場でも2011年からトップシェアを獲得しているとアピールした。そして、その要因をハードウェアだけではなく、ソフトウェアに力を入れているためと分析。「数年かかる仮想デスクトップのプロジェクトが今になって実を結び、数千台、数万台規模でシンクライアントの社内導入が進むようになった」(松浦氏)と説明した。

ワイズテクノロジー日本法人代表 松浦淳氏

 また、松浦氏は仮想デスクトップの需要が多様化していることに注目。2006年の時点では同社独自のシンクライアント用のOSである「WTOS」搭載の端末が売り上げのほとんどを占めていたのに対し、現在ではその比率が5割を切っていると説明した。その代わりに台頭してきたのが、カスタマイズ性の高いWindows Embeddedの端末やモバイルシンクライアント。今までシンクライアント化が難しかったCAD/CAM分野などでの導入も拡がり、用途という観点でも、大きな拡がりが出ていると分析した。

多様化する仮想デスクトップの要求

 親会社のデルや既存のパートナーとの関係に関しては、「デルとのコラボレーションが注目を集めているが、今までの代理店やパートナーの関係も強化していく」(松浦氏)と説明。シスコやNEC、IBMなどのグローバルでの提携も維持していくと説明した。

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