アプリの名前は早い者勝ち
── アプリが出来上がったら、次は何をすればいいのでしょう?
渡辺 「審査のためにアプリを提出してもらうことになります。ただし、その前にパッケージとして出力して、きちんと動くかどうかVisual Studioのテストツールで確かめることをオススメします。
起動に時間がかかる、アプリが急に立ち上がらない、使っていけない技術が含まれている、などといった項目をチェックしてくれます。このツールできちんと動かないアプリは審査でもリジェクト(否認)されて返ってきてしまうので、最低限の手間が省けます」
── ツールでのチェックが済んだら?
渡辺 「次はいよいよストアへの申請ですね。デベロッパーセンターでストア開発者アカウントを作って、開発者名やアプリ代金の振込先などを入力します。個人なら年間4980円の利用料とクレジットカードが必要です。
アカウントが無事開設されると“ダッシュボード”のページが表示されて、そこからアプリを投稿できます。申請はVisual Studioからも可能ですよ。
ちなみにアプリの名前は早い者勝ちです。予約もできるので、『我こそは、このジャンルの定番アプリを作りたい!』と思っている人は、前もって使い勝手のいいキーワードを押さえておくのも1つの手ですね」
―― 審査にはどれくらい時間がかかるのでしょうか?
渡辺 「一般的には5~7営業日と案内していますが、空いていれば1日で通ることもあります。ダッシュボードでは、どのチェック行程まで行ったのか進捗状態が分かり、しかもチェックに要する日時も記載されているので予測しやすいですね」
―― もしリジェクトされた場合はどうなりますか?
渡辺 「フィードバックが返ってきます。最近はノウハウがたまってきたので1発で通る方もいらっしゃいますが、ほとんどの方はリジェクトを経験されていると思います。
必要なアイコンがなかった、プライバシーポリシーを満たしていないといった理由でもリジェクトされてしまうので、完成後すぐに投稿するのではなく、パッケージとして書き出したりテストしている最中でもいいので、もう一度ストアアプリの申請条件を読んでいただけるといいかと思います」
―― 趣味のプログラミングだと、何度もリジェクトされるうちに心が折れてしまいそうです……。
渡辺 「リジェクト時のフィードバックは、原因がどこだったのかがわかりやすく返ってきます。
審査の際にチェックされる要件については、「Windows 8 アプリの認定の要件」にすべて公開されており、審査の担当者もここに書かれている項目に基づいてチェックしているので、リジェクトされた際はどの項目に引っかかっているのかが分かります。
加えて、コメント付きの場合も多いです。ちなみに返ってくるコメントは英語ですが、チェックは日本語が分かる人が担当しています。再申請するときに、前回からどこを変えたとか、アプリの使い方などを自由記入欄に書いて提出できるので、ストアの審査担当者にアプリの内容をより詳細に伝えることができますよ。
また、アプリ開発のポイントをまとめたドキュメント(注:PDFファイル)も別途公開しているのでぜひご参照ください。