フィルムが劣化する前にデジタル化しよう
【ツンデレBD】フィルムをデータ化して保存しよう
2012年12月04日 11時00分更新
フィルムをデータ化して保存しよう
●古いフィルムは劣化する
「さて、フィルムをスキャンする前に、まずフィルムについてのお勉強です」
「油断するとすぱっと指切るから気をつけろとか?」
「いやそれはただのあなたの不注意ですが。
フィルムとは透明な薄いシートに感光剤を塗ったものです。感光剤はほとんどが銀化合物で、これが光に当たって化学変化することで写真が撮れます。透明シート部分にはポリエステルが使われている……んですが」
「が?」
「素材がポリエステルに切り替えられたのは1990年頃のことで、それ以前はセルロースが使われていたのですが、このセルロースは劣化が早いんです。空気中の水分で加水分解、変質してしまうんですね」
なんだかいきなり化学の授業っぽくなったわね。あ、加水分解っていうのはつまり水との化学反応よ。
「日本のような高温多湿の場所では特にそれがひどいです。古くなったフィルムは酢酸臭がしたり、固くなってぼろぼろになります。これはビネガーシンドロームと言って、特に古い映画フィルムで問題になっているのですが」
言われて私はお爺ちゃんから渡されたフィルムを見てみる。なんか変な臭いがすると思ったらこういうことだったのね。
「ですので、1990年以前の古いフィルムをお持ちでしたら、なるべくデータ化したほうがいいでしょうね。劣化が進めば当然、写真も失われてしまいますし。
……でも葵さん家のフィルムは保管状態が良かったのか、まだ大丈夫そうですね」
「うちは古いものを大事にする家なのよ!」
「よほど通気性が良かったんでしょうね」
「悪かったわね、どうせうちはボロ家で隙間風が吹きまくってるわよ!」
「いえ、そこまでは言ってませんが」
●スキャナーの種類
「というわけで、やっとスキャナーの話です」
「長かったわね!」
「フィルムのスキャンできるスキャナーを大きく分けると、フィルムスキャナーとフラットヘッドスキャナーがあります」
「現在の主流はフラットヘッドスキャナーです。ひとつのスキャナーで紙や写真、フィルムを扱うことができます」
「おお、全部入りってお得ね!」
「最近はプリンタとスキャナー、ファックス等が一体化した複合機も人気ですが、それにもフィルムスキャン機能が付いていることがあります」
「十徳ナイフ並にくっついてくると逆に鬱陶しく感じるわね……」
「日本人っていろいろ足すの好きですからね。ただし、フラットヘッドスキャナーや複合機にはフィルムスキャンに対応していない機種も多いので、よく確認して下さい。価格の安いものには付いていないことが多いようです」
「……安いぶんだけ機能の数も減らされるのね。世知辛いわ」
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