最新のスマートフォンに搭載されている音声認識、じつはスゴイ技術が使われている。たとえば、「東京」という単語だけでも、「トウキョウ」や「トーキョー」など人によって微妙に発音が違うからだ。単語だけでなく、文で意味を理解するのは、さらに難しい。「東京の天気は?」なら大丈夫でも、「明日、東京の天気は?」になると3つの単語が絡み合ってる。友人に「明日、東京は晴れるの?」って聞いたら「明日と今日?どっちの天気?」って聞き返されたことがあった。「あす、とうきょう」と「あすと、きょう」を聞き間違えたらしい。
使えない!なんてガッカリする前に
たとえば、「田中さん」といえば田中さん本人を指すけれど、「田中さんのネコ」といえばペットのことだし「田中さんのネコの首輪」といえばペットのアクセサリーのことだし、「田中さんのネコの首輪を飼ったお店」だとお店が主体になる。単語が「入れ子」になった状態で、日本語や英語はもちろん、どんな言語でも共通にある構造だといわれている。人間はそんな構造を自然に理解するが、機械にとっては文にある意味を理解することは、とても難しい。
マジシャンのセリフの秘密は余計なことをいわないこと
「タネも仕掛けもないトランプです」、昔のマジックはこんなセリフではじまることが多かった。しかし、近代になると「仕掛けがないのなら、それをワザワザ言う必要があるのか?逆にあやしいのでは……」と現代のマジシャンの間で論じられ、ただ「トランプです」などシンプルなセリフをいうマジシャンが世界中で増えてきた。
考えてみれば、道で「ちょっと、すいません。僕は怪しいものではないんですけどね……」なんて知らない誰かが話しかけてきたら、それだけでスゴく怪しい。「すいません。〇〇駅に行くには……」とシンプルに話しかけたほうが、相手は質問の意味をすぐに理解する。
普段の会話やTwitterでも、ちょっと余計な一言を加えてしまい、相手に誤解されてしまうことが度々おきる。だからといって、単語だけでコミュニケーションをとるのはちょっと悲しい。「メシ!」「フロ!」「ネル!」の3つの単語で家庭内の会話を済ませてしまえたのは、遠い昔の話なのだろう。一部の人はコッソリと憧れるのかもしれないけれど……。
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