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イエデンワとストラップフォンの父に誕生秘話を聞いた!

2012年11月30日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

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お役所などにも導入されつつあるイエデンワ

──そういえば、イエデンワの行政導入例が増えていますが、まだ続いているんでしょうか?

檜山 震災時にPHSがつながりやすかったのもありますし、料金体系が比較的安いということもあるでしょうね。また、乾電池で動くのも受けてます。東京だと三鷹市や八王子市が緊急対策用に導入しています。小中学校でも導入事例が増えていますが、学校内で事故が起きやすい場所、例えば体育館やプール、校庭には電話がありません。そのような場所にも設置できるので便利、という感想をいただいています。最近のスマホ以上に人気ですね(笑)。

──では次は防水・防塵対応のイエデンワの出番と!?

檜山 耐衝撃とかね(笑)。ジップロックに入れて温泉に持ち込んでいる人もいましたね。岩盤浴っていう人もいたんですが、ちょっと動作が心配になりました。乾電池は暑さと寒さに弱いので、大変だったようです。そういう場合はエネループがオススメですね。なかにはリチウムイオンバッテリーを搭載しちゃった人もいるようですよ。

──ストラップフォンやイエデンワは、ユーザーの自由度が高いですよね

檜山 作っている側がマニアなのもありますが、うれしいですね。壁を壊すというか……画期的な使い方をしたり、好きに改造してほしいなと。そこから何かが生まれるじゃないですか。例えばこの「おしらせ窓センサー」は本来窓に取り付ける製品ですが、センサーが働いたときのSEを消音できるようにしたんです。そしたら、トイレのドアにセットしてる人がいるんですよ。

──おじいちゃんやおばあちゃんの様子確認用として、ですか?

檜山 そうです。センサーに反応がなければ、すぐに次の行動に移れますよね。もともとは防犯用に開発されたものなんですが、このようにアイデア次第で、ユーザーそれぞれが便利な使い方を見いだしてもらえるという製品は、やっぱり良いものだと思うんです。イエデンワにしても、ストラップフォンにしてもそうですね。ストラップフォンって、おっさん的な発想になりますけど、キャバクラに行ったとき「何これ?」って聞かれるんですよ。自分ではアイスブレイクフォンと呼んでいるんですけど(笑)、これも使い方のひとつなんですよ。

──シェアしやすいのも、イエデンワの魅力かなと思います。たとえば、コミケのブース前において連絡用にどうぞだとか。ウィルコムの「だれとでも定額」のおかげですが、iPhone行列取材時は同行者が「ちょっと電話するわ」って、イエデンワを使ったり。

檜山 今では電話は個人のものになっていますが、みんなで使えるものにしたかった。現在、屋外で電話を借りるときって、個人のスマホを借りることになるじゃないですか。でもイエデンワだとシェアしやすい。個人のものなのは変わらないんですが(笑)。災害時であれば、イエデンワはそういう風に、みんなが電話する存在になるでしょうし、会社でもそうですよね。会社用電話として機能してくれる。新しい文化になってほしいですし、SNS的物作りというか。ぼんやりですけど、メーカー側が一方的に押しつける時代は終わったのかと感じます。

ABITのショールームにも堂々と展示されているイエデンワ

──イエデンワをデコるシールは発売されないんですかね?

檜山 おもしろいと思います。アニメ関係の会社もありますので、ものすごく痛々しいイエデンワだとか(笑)。

──さて、そろそろ次世代イエデンワが登場しそうな予感なのですが、すでに準備は進んでいるんでしょうか?

檜山 もしかして、会議室にくるとき見ちゃいました?

──ちらっと(笑顔)。受話器っぽいハードウェアが。

写真左側でなにやら新製品っぽい端末のテストが行なわれていた

──では、最後にイエデンワファンにひとことお願いします。

檜山 イエデンワファンは僕の宝です! これからが難しいところですが、SNS的物作りでファンの意見を採用していくんですが、全部は採用できない。俺の意見が入ってないって怒る人も出てきちゃう。そこが難しいところなんですが、オトナの事情も考慮してくれるくらいまで、ユーザーのスケールを上げていきたいですね。お返事できないことはありますが、ちゃんと意見は見ています。本当にイエデンワファンは大好きです!

ABITの1階には同社がこれまで発売してきた製品を展示している、ショールームがある

どこかで見た製品も実はABIT製だったりする



 シンプルな見かけとは裏腹に、とてもアツイ思いで作られていたイエデンワとストラップフォン。登場してそろそろ1年が経過するので、買い逃してしまった人も発売日にどっちも買った人も、ニューモデルの発表に期待しよう!

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