DirectCU IIクーラーの実力をチェック
ここからは、紹介してきた6モデルのGPU温度やファン回転数、騒音値をチェックし、DirectCU IIクーラーの性能をみてみよう。
なお、各種測定のアイドル時はOSが起動してから10分経過後、高負荷時は「3DMark11」のデモを15分間連続実行した際の最大値にしている。GPU温度とファンの回転数は定番GPUモニターツールの「GPU-Z」をベースにしたASUS独自GPUツールの「GPU Tweak」で取得。騒音値はPCケースに組み込んでいないバラック状態で、CPUクーラーなどのファンを停止させ、出力インターフェース部から15cmほど離れた位置で騒音計を使って計測した。
アイドル時の各種値は、若干違いはあるがほぼ横並びといえる結果になっている。ただ、同じGPUでもファンの回転数に違いが出ているのがポイント。ロットなどにも影響されそうだが、BIOSでカスタマイズが施されている可能性も高い。当然、このファン回転数の違いは騒音値にも影響しているが、暗騒音値から4~5dBアップと、PCケース内に収めている場合は、気にならないレベルだ。
高負荷時は、リファレンスクーラーを採用するデュアルGPUの「GTX690-4GD5」の騒音値が50dB超えと、PCケース内に組み込んでも気になってしまうレベルに達している。GPU温度も78度と高いので、長時間使用時はPCケース内のエアフローが、かなり重要になってくるだろう。
本命のDirectCU IIクーラーでは、3スロットと2スロット占有タイプで、明らかに傾向が違っている。3スロット占有タイプは冷却重視よりの設計で、GPU温度は最大66度とかなり余力を残しているが、騒音値は40dB超えとバラック状態では、わずかだが風切り音が気になった。PCケースの遮音性にもよるが、組み込んだ状態ではファンノイズがゲームの効果音などの邪魔をすることは、まずないレベルだ。
2スロット占有タイプは、GPU温度が70度を超え、ファン回転数も最大で2010rpmと高回転域までアップしていたが、騒音値は最大でも36.9dBとかなり静か。冷却性能と静音性のバランスにこだわったDirectCU IIクーラーならではの数値になっているといえるだろう。なお、両タイプともに、ファン回転数は1%刻みで細かく変動するようにカスタマイズされているのも、静かに感じた要因だと思われる。
さらにファン回転数をどこまでアップさせると、うるさく感じる50dB台を超えるか「GTX690-4GD5」、「GTX680-DC2T-2GD5」、「GTX670-DC2T-2GD5」のファン回転数を10%刻みでアップさせて、回転数と騒音値を測ってみた。
型番 | GTX690-4GD5 2スロット/リファレンスモデル |
GTX680-DC2T-2GD5 3スロット/DirectCU II |
GTX670-DC2T-2GD5 2スロット/DirectCU II |
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ファン出力 | 回転数 | 騒音値 | 回転数 | 騒音値 | 回転数 | 騒音値 |
10% | - | - | - | - | 1080rpm | 34.8dB |
20% | 1110rpm | 36.8dB | 1080rpm | 34.8dB | 1080rpm | 34.8dB |
30% | 1230rpm | 37.4dB | 1470rpm | 40.4dB | 1080rpm | 34.8dB |
40% | 1530rpm | 42.4dB | 1920rpm | 48.0dB | 1140rpm | 35.1dB |
50% | 1800rpm | 47.6dB | 2370rpm | 54.7dB | 1710rpm | 36.1dB |
60% | 2070rpm | 51.5dB | 2370rpm | 58.9dB | 2310rpm | 38.3dB |
70% | 2310rpm | 55.1dB | 3090rpm | 60.8dB | 2790rpm | 43.2dB |
80% | 2550rpm | 57.7dB | 3390rpm | 64.4dB | 3180rpm | 47.1dB |
90% | 2760rpm | 60.1dB | 3480rpm | 65.1dB | 3510rpm | 50.2dB |
100% | 2880rpm(95%) | - | - | - | - | - |
50%となる2370rpmで54.7dBになった3スロット占有タイプは、やはり冷却性能に余力はあるが騒音値は高めといった感じだ。2スロット占有タイプは、予想以上に良い結果で、手動設定できた最大値の90%でも、50.2dBと高い静音性を発揮した。これなら、長時間の重量級ゲームもGPU温度やノイズを気にせずプレイできるといえるだろう。
秀逸なDirectCU IIクーラーが
魅力的なASUS製ビデオカード
ASUS製ビデオカードのGTX 680と670モデルが採用するDirectCU IIクーラーを見てきたが、どちらのクーラーも冷却性、静音性に不満のない結果だ。GPU毎にカスタマイズされたバランス良いDirectCU IIクーラーに、マザーボードで培った安定性を高める電源回路など、ASUS製ビデオカードは自作初心者や古株の自作er、ハイエンドゲーマーが安心して使える製品といえるだろう。
なお、次回は「GeForce GTX 660 Ti」や「GeForce GTX 650 Ti」といったミドルやアッパーミドルクラスのモデルが採用するDirectCU IIクーラーを徹底チェックしていくので、コストを抑えつつ、フルHD&高解像度でサクサクゲームを遊びたいユーザーは必見だ。
賢く買うためにお得な情報をチェック!
ASUSTeKの販売代理店であるテックウインドが、現在ASUS製ビデオカードを店頭表示価格の8%引きで買えるキャンペーンを実施中だ。キャンペーン期間はショップにより異なるので、各ショップで確認してもらいたいが、こういったキャンペーンは秋葉原では頻繁に行なわれている。同社製ビデオカードを買うときはキャンペーンや各ショップの特価情報を事前に調べておくといいだろう。
読者プレゼント
今回検証で使用したビデオカード「GTX670-DC2-2GD5」を、抽選で1名様にプレゼントいたします(応募締め切り:2012年12月15日)。当選者には、追ってご連絡させていただきます。
なお、製品は編集部で検証および撮影で使用したものになります。破損、傷などによる苦情、返品は受け付けませんのでご了承ください(メーカーへの苦情、返品もお断りいたします)。
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