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さらばギザギザ! NVIDIAがアンチエイリアスを技術解説

2012年11月26日 21時00分更新

文● ASCII.jp編集部 北村

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TXAA

 最後に紹介するのが、NVIDIAが設計した最新技法のTXAAだ。これは8x MSAAを上回る画質を2x MSAAの負荷で実現することを目指して開発されてきた。ちなみに、業界ではTemporal approximate Anti-Aliasingの略だと噂されているが、NVIDIAからはTXAAが何の略なのかは正式には公表されていない。

TXAAはMSAAの持つエイリアシングを解消している

 TXAAはMSAAよりさらに高度な計算が行なわれる。MSAAでは隣りのピクセルが何色なのかをチェックしていないので、サブピクセルの境界部にコントラストの差があるとギザギザが目立ってしまう。TXAAではピクセルの境界を超えた大きな範囲を参照して平均化処理するので、コントラストに大きな差があってもそのギザギザが目立たない。

MSAAでは遠くにいる兵士がギザギザに見えるが、TXAAではそれが解消されている。ただしこれは好みの問題でもある。人によってはTXAAだとぼやけて見えるという印象を持つかもしれない。そういう人はシャープな画像のMSAAを好む傾向にある

テクスチャーの一部に透明化が施されている網状のオブジェクト。MSAAではギザギザが発生しているが、TXAAではギザギザが低減されている

 また、MSAAでは極端に輝度の高い(High Dynamic Range)レンダリングではどうしてもエイリアシングが現れてしまう。これを解消するために、TXAAでは平均化処理の計算式に直線ではなく、人間の目に自然に見えるような曲線を用いている。さらに動画の場合は直前のフレームを参照することで、より高度なアンチエイリアス処理を実現しているという。

MSAAではHDRレンダリングに対応しないが、TXAAではHDRに特化した計算式を用いることで対応している

極端に輝度の差があると色の平均化が追いつかずギザギザが発生してしまうが、TXAAではガンマ曲線を補正することでギザギザを目立たなくする

Call of Duty:Black Ops IIでのワンシーン。金属製の枠に照明が反射して、極端に輝度が高くなっている。このようなシーンでもTXAAでは金属製の枠にジャギーが発生していない

 TXAAはGPUの処理能力を必要とするため、“Kepler”世代のGPU搭載ビデオカードで演算させるのが望ましい。また、TXAAはあらかじめプロファイルされたゲームでしか働かない。現在のところ、Call of Duty:Black Ops IIとAssassin's Creed IIIに実装されている。最新のアンチエイリアシング技法を確認したい場合は、これらのゲームをプレイするとよくわかるだろう。
 なお、Assassin's Creed IIIの画質比較が動画で公開されているので、こちらも参照してもらいたい。

NVIDAがキャンペーンを実施

 NVIDIAは「やっぱりゲームはGeForce GTX 2012キャンペーン」を26日から実施する。指定のメーカーが発売するゲーミングPCを購入すると、先着でNVIDIA特製ロゴ入りパックバッグがプレゼントされる。

指定のメーカーが発売するゲーミングPCを購入すると、NVIDIA特製ロゴ入りパックバッグをプレゼント

 また、TXAAを実装した最新ゲームの推奨スペックPCも発売が開始されているので、同社のウェブサイトをチェックするといいだろう。

ゲームオリジナルパッケージのビデオカードや推奨スペックPCも発売開始

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