電気スタンドの光を直接当てて
モスアイパネルの低反射をテスト
モスアイ構造の表面処理を採用したことで、かつてないほどの低反射を実現したAQUOS XL9シリーズの液晶だが、説明のみでは従来の一般的なノングレアタイプの液晶と比較して、どれだけ低反射なのかピンと来ない人も多いだろう。
そこで、今回はモスアイパネルがどれだけ外光の映り込みを低減できるのか、少々意地悪だが電気スタンドを手に持って、モスアイパネルに直接光を当てて実機検証をしてみることにした。
電気スタンドに取り付けるための電球は、リビングに設置されている様々な照明の種類を想定して、通常の白色電球、蛍光管タイプの電球、そしてLEDタイプの電球まで含めた60Wタイプの電球と計6種類を用意。筆者が直接手に持って、モスアイパネルから約1.5メートルの距離の正面から照射して画面の映り込みを比較してみた。
すげぇ~、漆黒の上に電球の中身がハッキリ浮かぶ!
比較検証用にと、通常のノングレアタイプの液晶テレビとモスアイパネルを採用したAQUOS XL9を比べると、あまりの外光の映り込みの写りの違いに驚かされる。
まず、ノングレアタイプの液晶テレビでは、電気スタンドを近づける前から検証した会議室の蛍光灯の照明により筆者自身が映り込む。
電気スタンドを近づけるとさらに映り込みも大きくなり、電気スタンドの光がぼやけて映るようになる。電球の種類によってはフレアが広がるものもあった。
次にAQUOS XL9に電気スタンドを近づけてみると、モスアイパネルであっても外光を完全に吸収する訳ではないので、電気スタンドの直接光は画面に映って見える。しかし、会議室に設置された蛍光灯による映り込みはほとんどなく、目の前で電気スタンドを構えている筈の筆者自身の姿も見分けられないほど。
画面上で確認できるのは電気スタンドの光源による直接光の当たる箇所と、傘の周辺のみといった具合だ。モスアイパネルでは光の拡散もしないため、光源の電球内部の構造までクリアに見えてしまう。そして、該当箇所の周辺は光を飲んだかのような漆黒の画面が広がる。
それでは、直接画面に映り込まない光についてはどうだろうか。
間接照明のように電気スタンドの光がAQUOS XL9の画面越しにも映らない位置から当てて検証してみると、モスアイパネルの表面には、ほとんど視聴している筆者も見分けられないほどに映像が映り込まない。AQUOS XL9本体の画面フレームからの反射のみが目立つようになってしまった。
以上の検証の結果として分かったことは、AQUOS XL9の採用しているモスアイパネルは一見クリアパネルのようだが、実際の映り込みは従来の低反射液晶の常識を覆すほどに少ない。直接光源が見えるようなシチェーションでなければ、蛍光灯はもちろん、白熱電球、蛍光管型電球、LEDライトといった光源の存在もものともしない。
AQUOS XL9の実機を前にすると、照明下でも画面には外光が映り込まず漆黒を維持するため、その画面の黒さにある種の異様さを覚えてしまうほどだ。