日立マクセルから、同社初のハイエンド製品となるインイヤー型ヘッドフォン「MXH-DBA700」と「MXH-DD600」が発表された。どちらも12月10日発売予定で、予想実売価格はDBA700は1万円前後、DD600は8000円前後となる。
BA&ダイナミックドライバー搭載で1万円!
DBA700は1万円前後という価格ながらBA(バランスド・アーマチュア)型とダイナミック型、両方式のドライバーを搭載。BA型による繊細な高域再生と、ダイナミック型による迫力のある中・低域再生を実現する。
ドライバーユニットはBAを前方(耳の近く)に、ダイナミック型を後方に配置することで、BAの音を鼓膜にダイレクトに伝える。さらにダイナミック型は斜め下方向に向けることで、直進性の高い高音を抑えて中低音を強調して再生する。
DD600はダイナミック型ドライバーを2つ(6mmと8mm)搭載。厚みのあるサウンドを実現している。
どちらも金管楽器をイメージしたデザインで、ボディーには剛性の高いアルミ素材を採用。さらに角のないホーン型のデザインとすることで不要な共振を抑えている。
5000円未満が95%を占める市場に
8000円~1万円の製品を投入する理由
同社コンシューマ事業部 商品企画部 担当部長の小林是人氏は、ヘッドフォンのマーケットについて「数量シェアにおいては5000円未満の製品が95%を占める」(GfK Japan調べ)という調査結果を引用。
その中で5000円以上のヘッドフォンを投入する理由について同氏は、数量ベースで5%であっても金額ベースでは28%のシェアがあることを指摘。「金額ベースのシェアではハイエンドのボリュームは見逃せない」と語った。
そして今回の製品発表に合わせ、同社はヘッドフォン製品のブランドシンボルマークを展開することを発表。「m」の1文字が表すのは「マクセルのM、ミュージックのM、人(MAN)のM」で、過去から新時代につながるコミュニケーションを表現しているとのこと。
さらにヘッドフォン事業およびこのブランドシンボルマークをグローバルで展開するため、2013年1月1日に事業統括を行なう新会社を香港に設立するという。香港を開発拠点として世界各地で製品を投入していく。