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iPhoneの音を高品質に! ポータブルヘッドフォンアンプを選ぶ

2012年11月14日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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ゴツいデザインが特徴的!
ソニー初のヘッドフォンアンプ「PHA-1」

マッチョな外観の「PHA-1」

マッチョな外観の「PHA-1」。今回紹介する中では一番大きく、一番重いが機能は満載!

 ソニーの「PHA-1」(実売価格4万円前後)は、同社として初めて投入したポータブル型ヘッドフォンアンプだ。

 本体サイズは幅67×奥行130×高さ26mmで重量は約220g。一般的なヘッドフォンアンプよりもやや大きめで、ボリュームや接続部分を保護する亜鉛ダイキャストダンパーの採用のため、ゴツい印象となっている。

前面はダンパーで保護されており、その奥にボリュームなどの操作部を搭載

前面はダンパーで保護されており、その奥にボリュームなどの操作部を搭載

背面にはUSB端子を2つ搭載。iPhone/iPod/iPad接続用とPC接続用(USB DAC)だ

背面にはUSB端子を2つ搭載。iPhone/iPod/iPad接続用とPC接続用(USB DAC)だ

 高剛性なアルミケースの採用をはじめ、音質にこだわった作りとなっているのが大きな特徴で、iPhoneやiPodとのデジタル入力に対応するほか、PCなどの96kHz/24bit音源のデジタル入力も可能なUSB DAC機能も備えている。DACチップは英ウォルフソン社製の「WM8740」を使っている。

付属品が豊富なのも特徴。左は付属のベルトを使用してiPhone 5を固定。右はケーブル類でウォークマン用のWMポートケーブルまで付属する

付属品が豊富なのも特徴。左は付属のベルトを使用してiPhone 5を固定。右はケーブル類でウォークマン用のWMポートケーブルまで付属する

 約4.5時間の充電で、アナログ接続時は約10時間、iPhoneなどのデジタル接続時は約5時間の連続駆動が可能だ。

音も低音寄りのマッシブ型
骨太で筋肉質のサウンド

音質評価

  • 解像感 :★★★
  • ボーカル:★★★★
  • 低音   :★★★★★
  • 音場感 :★★★

 見た目のゴツさが音に現われているというか、その音は骨太な低音が特徴的だ。ポップスを聴くと、ドラムやベースが張り出し、肉厚で逞しい印象のサウンドになる。声の明瞭度や細かな音の粒立ちなどへの影響はなく、厚みのある声の生々しさやライブ感がよく伝わるサウンドになる。

 アニソンでは、女性の伸びやかな高い声がスムーズで、鮮度の高い再現となる。低音の厚みや重量感が増しているせいか、キレのよいスピード感はやや抑制された感じもある。

 ジャズでは、バスドラムの重みのある響きやウッドベースの等身大のサイズ感がダイレクトに伝わる。熱気やパワー感がよく出ていて、筆者が好きな60~70年代のジャズをホットに楽しませてくれた。

 一方、クラシックではティンパニや低音楽器の力感はなかなか雄大だが、さすがに弦楽器の細やかな再現はやや曖昧になりがち。個々の音を明晰に聴くというよりは、音楽の一体となったエネルギー感を味わうタイプの音だ。

 低音のパワー感としては、低音の出しにくいカナル型との組み合わせを意識したものとも思われ、比較的音量を絞って聴いても低音感をしっかり味わえることが魅力だ。HiFi的な忠実度を求めないのであれば、中高域への影響もごくわずかなので、比較的バランスはいいだろう。

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