やや角張ったハウジングデザインが個性的
バランスのよさがさらに増すULTRASONE「IQ」
同じULTRASONEでもう1機種。「IQ」(実売価格8万円前後)はインナーイヤー型の上位モデルで、こちらは低音用にダイナミック型、中高音用にBA型を組み合わせたハイブリッド型となっている。
こうしたダイナミック型とBA型の組み合わせは高価格なモデルでの採用例が多い。ハウジングはダイキャスト製の金属を使用している。
1.2mのケーブルは着脱式で、マイク/リモコン付きのものと、なしのものの2つが付属する。iPhone用としながらも通話用、音楽用とコードを2つ備えるのはなかなか珍しい。
イヤーピースは、ウレタンフォームが2サイズ。シリコン製が5サイズ付属する。こちらは「Tio」と同等でウレタンフォームが個人的には好感触だった。
ただし、ハウジングがやや大きいこともあり、邪魔になるほどではないが多少収まりがよくないように感じた。コードは耳の裏側に回すタイプとなっており、初めてだと多少装着に手間取るのは“シュア掛け”タイプと同様だ。
Tioよりはさらにワイドレンジになるが
バランスは自然な再現でGood!
音質評価
- 解像感 :★★★
- ボーカル:★★★
- 低音 :★★★★
- 音場感 :★★★★★
2つのユニットを採用したこともあり、低域はさらに下まで伸びるし、高域の解像感も高まってくる。
ただし、ことさらに低域の力感や高域の解像感を強調するのではなく、あくまでもバランスよくまとまっており、特定の要素が突出するようなことはない。ジャズやクラシックを聴くと、上質な再現なのだが、やや大人しくなったような感じもある。
ポップスを聴くと、音の広がりやステレオ音場の再現の豊かさが際立っていることに気付く。楽器の音離れの良さに加えて、定位感も良好なので、頭の中にスタジオでの配置がわかるような聴こえ方をする。
声はニュアンスの再現が抜群で、定位のよさもあり、ボーカルが一歩前に出たような立体的な再現だ。
アニソンも同様で、勢いのある歌声を生き生きと描く。音色も多彩だし、ベースやドラムのリズムもパワフルさとキレの良さをきちんと両立している。
自然な音色と音場感に優れた再現は、ジャンルを選ばずにその曲の持ち味をしっかりと描き出す。HiFi調の忠実感を求める人におすすめのモデルだ。
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